世界で初めて核燃料が溶け落ちる重大事故が起きたアメリカのスリーマイル島原発を所有の電力会社が再稼働させ、IT大手「マイクロソフト」に電力供給すると明らかにしました。

 アメリカ東部のペンシルベニア州にあるスリーマイル島原発では、1979年に2号機で核燃料の一部が溶融するメルトダウン事故が世界で初めて起きました。

 放射性物質が外部に漏れ出し、周辺の住人が避難しました。

 この事故の後も1号機は稼働を続け、1999年にはアメリカの電力大手「コンステレーション・エナジー」が購入しました。

 しかし2019年に採算の悪化を理由に運転を停止しました。

 コンステレーション・エナジーは今月20日、IT大手のマイクロソフトとの間で20年間の電力売買契約を結び、所有する1号機を2028年に再稼働させる計画だと明らかにしました。

 再稼働で80万世帯以上への電力供給量に相当する800メガワット以上を発電し、マイクロソフトが持つデータセンターに電力を供給するということです。

 再稼働にはアメリカの原子力規制委員会の承認とペンシルベニア州などの許可が必要で、コンステレーション・エナジーは発電機や冷却システムなどの設備更新のために資金を投入するとしています。

 アメリカではAI(人工知能)やクラウドコンピューティングなどのデータセンター用の電力需要が急増しています。

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