11月の米大統領選に無所属で立候補するロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)が、南部ジョージア州で6月27日に開かれる候補者討論会への参加を目指している。民主党のバイデン大統領(81)と共和党のトランプ前大統領(77)の間に割って入ろうというケネディ氏だが、主催するCNNが示した参加条件のハードルは高い。陣営は活動を活発化させているが、条件達成の「締め切り日」とされる20日までは残り10日ほどだ。
CNNが公表した参加条件は二つある。一つ目は、一定数以上の州で投票用紙に候補者の氏名が載ると確定していることだ。大統領選で勝つためには、人口に応じて各州に割り当てられた「選挙人」計538人のうち、過半数である270人以上を獲得しなければならない。CNNは、270人以上の選挙人を獲得するのに十分な数の州で投票用紙に氏名が載ることを条件としている。
各州の投票用紙に氏名を載せるには、州ごとの要件を満たす必要がある。2大政党ではない候補者は、有権者登録している人のうち一定数の署名を提出するなどの条件がある。無所属の候補者にとって、多い州では10万人前後にもなる数の署名を集めるのは人員や資金の面で大きな負担だ。
ケネディ陣営によると、7日時点で西部カリフォルニア州や南部フロリダ州など9州でこの手続きを終え、さらに東部ニューヨーク州や南部ノースカロライナ州など10州で必要な署名数を集めたという。これら19州の選挙人の数は合計278人になり、討論会参加の条件を満たすのだという。陣営幹部は「陣営と、『ボビー(ケネディ氏の愛称)を投票用紙に』とのプラカードを手に駆け回った全国数千人のボランティアにとって、とてつもない勝利だ」との声明を出した。
ただし、10州については州当局に提出した書類と署名が有効だとの確認がまだされていない。CNNは、署名数ではなく、書類が当局に認められて候補者の氏名が載ると決まっていることを基準とするため、予断を許さない状況が続く。
CNNのもう一つの条件は、全国世論調査で15%以上の支持率を少なくとも4回得ているというものだ。対象は主要なテレビ局、新聞社、大学による信頼を得ている世論調査だ。ケネディ氏は3月以降、CNNやキニピアック大など三つの調査で15%を上回った。条件突破まであと1回だが、5月下旬以降は1桁台の支持率にとどまる調査も多い。
ミシガン州立大のコーウィン・スミット准教授(米政治学)は「第3の候補は当初は、知名度と一つか二つのテーマを基準に支持が集まるが、時間がたって三つ目、四つ目のテーマを耳にするようになると満足度や支持意欲が下がっていく」と話し、ケネディ氏が支持を拡大していくことの難しさを指摘した。【ワシントン西田進一郎】
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