「防弾ベスト太り」?──対独戦勝記念パレードで当時のショイグ国防相と握手するプーチン(後ろ姿)(2024年5月9日、赤の広場) Sputnik/Mikhail Klimentyev/Kremlin via REUTERS
<内外で怨みを買っている独裁者プーチンは、以前から食事の毒味をさせたり、外遊にも自前の料理人と食材を用意するなどの奇行が知られていたが、昨年あたりからはついに防弾ベストを着るようになったという>
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は最近、公的行事では常に防弾ベストを着用している、とロシア政府高官2人と政府に近い情報筋が独立系オンラインメディアに語った。
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プーチンがいかに差し迫った生命の危険を感じているかを示す新たな証拠だ。すでに、食事は特別チームに毒味させ、旅行に出るときは専用の料理人と食料を用意する、などの用心をしていることは報道されていたし、ロシア政府に近い情報筋も事実と確認した。
訪問客との会合に長いテーブルを使い、相手との間に極端な距離を置いた場面も写真に撮られている。これは新型コロナウイルス感染を恐れたせいとも言われるが、壇上に上がったプーチンと聴衆の間に障壁が設けられていたケースもあった。
独立系オンライン新聞モスクワ・タイムズ紙が5月4日に報じたところによると、ウクライナで戦争が続く中で、昨年からプーチンの身辺警備が強化されている。ロシア連邦保安庁(FSB)と連邦警護局(FSO)の一部門である大統領警護庁(SBP)の勧告によるものだ。
防弾ベストは前代未聞
だが、公開イベントで防弾ベストを着用するというのは前代未聞だった、とロシア政府高官2人が証言をした。高官のひとりは公の場で何度もプーチンに会ったことがあり、プーチンが防弾チョッキを着用し始めたのは2023年からだ、とモスクワ・タイムズに語っている。
例えば、プーチンは5月9日の対独戦勝記念パレードに出席した際、コートの下に、防弾服を着ていたという。
「ロシア政府はプーチンの安全を非常に重視している。目に見える形であれ、見えない形であれ、大勢の警備担当者がプーチンを守っている」と、パレードに参加したロシア政府関係者は同誌に語った。
プーチンは「パレード中、明らかに防弾服を身に着けていた」と、前出の政府当局者は言い、政府側はこうした予防措置が必要だと考えていると付け加えた。
モスクワ・タイムズは、イギリスの独立系敵対環境・高リスク警備コンサルタント、ジェイド・ミラーに、5月9日の戦勝記念パレードにおけるプーチンの映像分析を依頼。ミラ-は、プーチンは事実「防弾ベスト」を着用していた、と評価した。
プーチンの上半身のシルエットは不自然で、肩幅は「かなり広く、四角く」見え、「かなり硬直した歩き方」をしているように見えた、とミラーは言う。「プーチンはコートの前を高い位置で留め、前が閉じているかどうかを確認している様子もあった。まるで下に着ているものが見えないようにしているかのようだった」
「パレードに出席している間、プーチンが何らかの防弾用ウエアを着用していたのは確かだ」と、ミラーは専門家として付け加えた。
ロシア政府が目の仇にしている独立系メディアのプロエクトが昨年12月に発表した調査によると、プーチンが公の場に姿を現す回数は従来より減っているという。また「路上でプーチンが対話する際、相手は特別に引かれた赤線の向こう側、プーチンから10メートル以上離れた場所に立たされる」とも指摘している。
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