宮城県大崎市の大崎市民病院が医師や看護師ら約1100人に時間外勤務手当を適正に支給していなかった問題で、病院の開設者である同市の伊藤康志市長は6日の定例会見で「患者、市民の皆様にご心配をおかけしていることをおわび申し上げたい」と謝罪した。

 病院を巡っては昨年2月、時間外勤務手当を適正に支給していないとして古川労働基準監督署から是正勧告を受けた。時間外勤務手当を算出する際は基礎賃金に必要な手当を含めて計算するが、病院は一部の手当を含めておらず未払いが生じた。さらに時間外労働時間の過少申告も発覚した。

 病院が積算したところ、未払い分は2020年3月以降、約10・5億円に上った。病院はこのうち約2・3億円を支給したが、経営状況が悪く、8億円超は支給していない。

 伊藤市長は「(病院は)報道を受けて新たに説明や検討を重ねている。まずは内部での検討の報告を待ちたい」とした。

 病院側はこの日、報道陣に「8億を超える金額を一気に支払うと、病院経営における影響が大きい。どうしようかというのが現状」とした上で、「方針としては、更なる経営改善を行って対応していきたい」と述べた。(吉村美耶、中島嘉克)

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