神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)で昨年1月から今年1月までに患者の死亡が相次いだ問題で、病院は今年1月に死亡した90代男性について、投与していた薬剤の追加が遅れて死亡したとして医療過誤認定していたことがわかった。

 1日付で病院のホームページ上で明らかにした。今回の問題での医療過誤の認定は3件目。

 病院によると1月19日、90代男性が心肺停止状態で搬送された。治療後に心拍が再開し、血圧が下がらないように薬を投与していたが、同日夜に薬剤が切れた。薬剤の残量が少ないことを知らせる警告音に気づいた患者家族が職員に伝えたが、薬剤の準備ができておらず追加が遅れた。その後、男性は死亡した。

 病院は薬剤の追加の遅れが「死期を早めた可能性がある」として3月、医療過誤を認め、遺族に謝罪したという。

 今回の問題で、院内の事故調査委員会の調査対象となっているのは15件。これまで国の医療事故調査制度に基づき調査した、糖尿病の既往歴の見落としで必要な治療を受けられずに亡くなった70代男性と、カテーテル治療を受けた後に死亡した90代女性の2件について医療過誤があったと病院側が認めている。他の事例については報告書をまとめ、遺族に説明しているという。(杉山あかり)

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