チョコレート(写真はイメージ)=ゲッティ

 帝国データバンクは31日、8月に値上げとなる食品の品目数が642品目になると発表した。前年同月に比べ46・4%減になったものの、原材料費の高騰でチョコレートなどの価格引き上げの動きが続いている。9月以降も幅広い品目で値上げが予定されている。

 主要食品メーカー195社を調査した。8月に値上げされる食品の内訳で最も多いのは、パスタの乾麺やソースといった「加工食品」で319品目。次いでチョコレート製品を中心とした「菓子」が128品目、「酒類・飲料」が60品目と続く。

 2024年1月以降の値上げ要因を聞くと、9割超が猛暑や干ばつといった世界的な異常気象による不作など「原材料高」をあげた。チョコレートの原料となるカカオや、ジュースに加工されるオレンジなどの不作も深刻化し、関連商品の値上げにつながっている。

 現時点で24年通年の値上げ品目数は1万5000品目程度となる見込みで、3万品目を超えた23年に比べれば沈静化しそうだ。ただ、帝国データバンクは「急激な円安の進行に加え、包装資材、物流費などのコスト増が複合的に発生している」と指摘。値段の引き上げから、価格を維持して内容量を減らす「実質値上げ」にシフトする動きも広がっているといい、家計にとっては厳しい状況が当面、続きそうだ。【嶋田夕子】

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