九電工は2025年10月に社名を変更する。九州内の電気工事で地場企業として存在感を高めてきたが、近年は首都圏などでも営業に注力し、経営多角化も進めており、会社の成長に合わせて社名を変えることにした。新社名は4月に発表する。
2日に福岡市内であった創立80周年記念式典で、石橋和幸社長が表明した。九電工は1944年に「九州電気工事」として設立。89年に現在の社名に改称しており、社名変更は36年ぶりとなる。
石橋氏は、九州外での売り上げが3割を超え、空調工事や太陽光発電の業績が伸びていることを挙げ「社名が業容と合わなくなった。80年の節目に、新たなステージに向けて社員の意識を変えたい」と説明した。
新社名は、コンサルティング会社などの提案や社員の意見を参考に決める。特定の事業名は社名に用いない方針という。石橋氏は、今年10月に社名を「カナデビア」に変えた日立造船を例に挙げ「コンパクトで分かりやすい社名にしたい」と話した。
九電工は九州電力の関連会社として配電線工事を手がけてきたが、ビルの電気・空調工事も得意とする。東京オリンピック(2021年)や福岡都心部の再開発、九州内の半導体関連工場など大型開発のラッシュを追い風に増収を続けている。
2025年3月期の売上高は過去最高の5000億円を予想し、福岡の地場企業としては西日本鉄道やJR九州をしのぐ規模となっている。【久野洋】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。