時速194キロの乗用車による死亡事故は、危険運転にあたるのか。危険運転罪のあいまいさが指摘されるなかで、注目の裁判が始まりました。

大分市大在の県道で2021年2月、当時19歳の男が運転する乗用車が右折してきた対向車と衝突し、小柳憲さん(50)が死亡しました。男は当初、過失運転致死罪で起訴されましたが…

小柳さんの姉 長文恵さん
「なぜ危険運転致死罪を適用してもらえないのか。悔しさと怒りで、夜も眠れない日が続きました」

長さんら遺族や支援者は、より重い刑罰への変更を求めて、全国から集まったおよそ2万8000人分の署名を提出。大分地検は再度、現場などを調べた結果、おととし12月、起訴内容を危険運転致死罪に変更しました。

事故から3年9か月、きょうから始まった裁判員裁判で被告は起訴内容について、「そのようなことについてはわかりません」と述べました。そして弁護側は、▼車は被告人の運転で車線を逸脱することなく直進できていた。▼また、死亡した小柳さんの車の通行も妨害していないなどとして、危険運転は成立しないと主張しました。

初公判を受けて遺族は…

小柳さんの姉 長文恵さん
「何が原因かって、この高速度以外の何物でもないです。シートベルトがちぎれるような速度って、何キロからですかね。194キロのこの事故が、うっかり過失なわけはないです」

裁判員裁判の審理はきょうを含め6回行われ、危険運転致死罪が成立するかどうか判断が注目されます。

判決は、今月28日に言い渡されます。

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