シリーズSDGs「つなごう未来へ」。
太陽光発電の蓄電池に「あるモノ」を再利用している企業が宮城県亘理町にあります。使えなくなれば廃棄されてしまうことが多いという「あるモノ」、一体なんでしょうか?
太陽光発電の蓄電池に再利用する「あるモノ」とは
多くの車が並ぶ亘理町の中古車販売店。その一角に建つプレハブ、一見、何の変哲もありませんが…?
Mogee 茂木宏社長:
「太陽光、ソーラーパネルで発電して、その電気を蓄電池に貯めて、室内で使うことができる。蓄電池が実は、EV=電気自動車のバッテリーを再利用しているというのが特徴」
実はこれ、中古の電気自動車のバッテリーを太陽光発電の蓄電池に再利用した「電源のいらないプレハブ」なのです!
Mogee 茂木宏社長:
「きょうは太陽が出ていないですけど、電気が使えるというのがバッテリーのメリット」
LEDの蛍光灯やエアコンを完備し、掃除機までかけることができます。
どんな場所で活用出来るのでしょうか。
Mogee 茂木宏社長:
「4トントラックに載せてバッテリーも載せて、災害が起きたら近くにすぐ置けるのですぐに応援出来る。皆さんの助けになるのでは」
発電システム開発で再利用の課題もクリア
近年の脱炭素に向けた動きから、電気自動車の数は年々増えていて、2023年の登録台数は普通車だけでも4万台を超え、10年間でおよそ3倍に。台数が増えた分、劣化して使えなくなった中古バッテリーも増えましたが、これまで再利用には課題がありました。
こうした中、東北工業大学の下位法弘教授らはバッテリーをほぼそのまま再利用できる発電システムを開発しました。
東北工業大学 下位法弘教授:
「バッテリーってほぼ使い捨てという形になっていて、せっかく電池という形になっているから上手く使いまわせないかということは常々考えていた」
さらに、この会社が下位教授と協力してバッテリーの充電と放電を安全にコントロールするシステムを開発し、プレハブに搭載しました。
気になる値段は…。
Mogee 茂木宏社長:
「カーテン、じゅうたん、もちろんソーラーパネルとバッテリーも含めて200万円です!テレビショッピングみたい」
太陽光発電ができるプレハブは新品で購入すれば500万円以上することも。
中古車販売のほか車検や解体などにも携わるこの会社では、劣化して使えなくなったバッテリーの取り外しを自社工場で行うなどして、コストの削減に務めました。
Mogee 茂木宏社長:
「リサイクルの本質はコスト。リサイクルで使うんだったら、新品の半値、半値以下じゃなかったら普及していかない。そこがこだわり」
コストにこだわるリサイクル。挑戦はまだ始まったばかりです。
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