去年2月、福島県いわき市で起きた強盗殺人事件の裁判員裁判で、検察は、被告の男に無期懲役を求刑しました。一方、弁護側は、殺人罪にとどまるとして懲役14年が相当と主張しました。
強盗殺人の罪に問われているのは、別の罪で福島刑務所に服役中の木村進被告(53)です。
起訴状によりますと、木村被告は去年2月、いわき市勿来町にある小松ヤス子さん(当時85)の家で、金品を奪い取ろうとして、ハンマーで殴り、殺害したとされています。
29日の初公判で、木村被告は「小松さんをハンマーで叩いたことは、認めるが家を物色したり物を盗んだりはしていない」と起訴内容を否認していました。
検察は、冒頭陳述で「被告は生活に困窮していて、家の中は土足で物色された状況だった」と指摘しました。
一方、弁護側は「被告は小松さんをパニックになって殴り、ほかに犯人が潜んでいると思い家を徘徊した」と説明。金品を奪おうとはしておらず「強盗殺人ではなく殺人罪にとどまる」と主張しました。
「強盗以外に動機見当たらない」検察は無期懲役求刑
裁判は31日で結審し、検察側は「小松さんを殺害した直後に家の中を土足で物色していて、強盗以外に動機は見当たらない」と指摘。小松さんの尊い命が奪われた結果は重大として、無期懲役を求刑しました。
これに対し、弁護側は「殺害してまで金品を奪う目的はなく、犯行は偶発的で計画性はない」と主張。「強盗殺人は成立せず、殺人罪にとどまる」として、懲役14年が相当と主張しました。
判決は、11月6日に言い渡されます。
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