鹿児島県日置市で2018年、親族ら男女5人を殺害したとして、一審で死刑判決を受けた男の控訴審が30日、福岡高裁宮崎支部ではじまりました。
殺人と死体遺棄の罪に問われているのは、事件当時、日置市東市来町湯田に住んでいた無職・岩倉知広被告(45)です。
一審判決によりますと、岩倉被告は2018年、近くに住む祖母・久子さんの住宅で、久子さんと父親の正知さんの首を絞めて殺害し、2人の遺体を空き地に埋めたほか、安否確認に訪れた親族ら3人を相次いで殺害したものです。
一審では、被告の刑事責任能力の有無が争点となりましたが、鹿児島地裁は「完全な刑事責任能力があった」として死刑判決を言い渡し、被告は不服として控訴していました。
控訴審の争点は一審に続き責任能力の有無で、30日の初公判では裁判所が呼んだ2人の精神科医が証言しました。
医師の1人は「被告は事件の10年以上前から統合失調症だった。犯行時も妄想などにより著しい興奮状態で、殺害時に大きく影響した」と述べました。
一方、もう1人の医師は「被告は統合失調症ではなかった」と述べたうえで『完全な刑事責任能力があったとする』一審判決を支持しました。
30日の裁判で岩倉被告が発言する機会はありませんでした。
次回の公判は12月24日に開かれる予定です。
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