合唱・全国大会の常連校、不来方高校音楽部が先週、さいたま市で開かれた全日本合唱コンクールで「感謝」と「祈り」の歌声を披露しました。
『不来方サウンド』最後を飾る大舞台です。

先週26日。全日本合唱コンクール高校の部。
33人以上のBグループには岩手からは、不来方と盛岡一高が東北代表として出場。
不来方は、16大会連続の全日本。
これまで最高賞「文部科学大臣賞」を8回受賞するなど、その名を全国にとどろかせています。

「感謝と祈り」が不来方音楽部のモットー。地域貢献として年に40回ほどの公演を行い被災地支援も続けてきました。

学校の統合を前に、『不来方サウンド』有終の美を飾ろうと、部員35人は心ひとつにして、頂点を目指していました。


本番直前、不来方が練習会場に選んだのは近くの教会。

「歌う前の準備、口のかたちのキープ意識してがんばりましょう」

課題曲・自由曲ともにイエス・キリストを題材にした宗教曲。
「祈りの場所」に身を置く事が狙いでした。

(松草奏重さん)
「実際に教会にしか感じられない響き。雰囲気を体の中に取り込んでそれをホールに持っていき、歌えることが教会で歌う大きなメリット。歌わせていただけることに感謝」  

「おでこをあげる男子も前髪をわけている。おでこを出したほうが歌ってるときの明るい表情がわかる。見ている側も好印象」

靴下のブランドも揃え「印象や、見栄え」にも細やかに心を配りました。

(松草奏重さん)
「最後こうして歌えることに感謝して。先輩方がつないできた伝統、全国大会に出場できることは当たり前ではない。感謝をして祈りの音楽を響かせたい」

午後3時、33人以上が参加する『Bグループ』の本番が始まりました。
不来方の演奏は5番目です。

伝統の「祈りの音楽」を存分に披露。
観客からは大きな拍手が送られました。

(部員は)
「今ある自分たちにできることは尽くせた」

(駆けつけた卒業生は)
「今年は全体的なまとまり調整感が強い揃ってるのが強み」

公演終了後、会場ではそれぞれの健闘をたたえ、合唱によるエール交換。

午後7時すぎ。審査結果の発表。
出演順に金、銀、銅が明らかになります。

「不来方高校 シルバー銀賞」

言葉を失い悔しさで涙をこらえる不来方の部員たち。

「盛岡第一高等学校 ゴールド」

校名最後の全国で、『日本一』の目標をかなえる事はできませんでした。

(松草奏重 さん)
「私たちが思い描いていた結果でありませんでした。しかし本番は1回だけ泣いても笑ってもこれが現実全国大会までみんなで歌ってこれたことはこれからの活動や3年生は進路に向けて必ず力になると思います」

こころざしを継ぐ後輩は

(2年生部長 吉田倫さん)
「来年学校が変わって統合になっても祈りの気持ちを持って1つ1つのステージに感謝を持って挑む」



2025年4月、「南昌みらい高校」開校。
感謝と祈りが込められた伝統の「不来方サウンド」は、後輩に受け継がれます。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。