衆議院選挙シリーズ「あすを選ぶ」。きょうは大票田の那覇市と離島7町村を含む
沖縄1区です。4人が立候補していますが、事実上は無所属・元職の下地さん、自民党・前職の国場さん、共産党・前職赤嶺さんの三つ巴の戦いになっています。

下地幹郎候補

「1、2、3、4、5~」

午前6時半。那覇市の公園で、市民と汗を流すのは下地幹郎さん。朝のルーティーンは選挙期間中も変えません。

▽無所属・元 下地幹郎候補
「(体操場所が)15か所くらいあるんだよ。やっぱりコミュニケーションが取れますからね」


下地さんは衆院議員を6期務め、郵政民営化担当大臣などを歴任しました。2021年以降は国政の場から遠ざかっていますが、いわゆる浪人生活中に見えてきたことが…

▽下地幹郎候補
「(議員時代は)伊良部架橋をやった。ジャングリアも私が誘致してやった。しかし落選してみて地道に街を歩いてみたら、これ貧困が大きくなっていると。貧困が1番の課題なんですね」

貧困解消の政策として掲げるのは、電気やガスのインフラを日本一安くすること、大学や専門学校など、教育の完全無償化など。

さらに県内で争点となってきた普天間基地の辺野古移設については、新たな政策を打ち出しました。

▽下地幹郎候補
「今の状況を解決するために、私が「やんばる国際空港2800」。新しい提案をしました」

「やんばる国際空港」プランは、辺野古側の埋め立てられたエリアを活用し、浮きドック工法などを用いて2800mの滑走路をつくり、民・軍共用の空港として使うプラン。

移設阻止が実現できていないオール沖縄と、12年以上を要するという計画をすすめる政府。この対立を終わらせると意気込みます。

第3の道を提示する下地さんを、盟友・大村愛知県知事は次のように評価します。

▽大村秀章 愛知県知事
「政治はね、構想力なんですよ。まず構想力。それから決断して実行する実行力。下地幹郎には揃っていると思いますがいかがですか」

ー幹郎さんの魅力は?

「太陽の様な明るさじゃないでしょうか。皆を元気にするのが下地幹郎という男だと思う」

▽下地幹郎候補
「30年間続く辺野古の問題を、両方がギブアップ状態になっている所を、打ち壊さなきゃだめだということは、このタイミングしかないでしょう」

「最後の選挙」と約束しての出馬。政治家生命をかけて挑みます。

▽自民・前 国場幸之助候補
ーイッキにいかれるんですね。
「うん」

ーひきわり納豆や丸納豆。好みは?
「全部好きですね」

無類の納豆好きで、毎食、2パック以上は食べるという国場幸之助さん。

▽国場幸之助候補
「日本全国、自民党厳しいですから。小選挙区で勝ち上がらないと生き残れないと思っていますね」

自民党の前職、国場さんは、比例区で衆院議員4期目の当選を果たし、国土交通副大臣を務めました。今回は小選挙区で勝ちあがるため、全面に押し出す政策はー

▽国場幸之助候補
「今回の総選挙の争点、経済です。経済であり、経済であり、経済がもっとも重要でございます」「物価高の歪は、離島とか低所得者の方に、大きな歪がきますので。まずは苦しんでいる所に手厚い支援をしていく」

物価高に負けない経済政策として、最低賃金を1500円以上にすること。その賃上げに耐えるよう、中小零細企業にも合わせて支援すること、など。政策実現の根拠はー

▽国場幸之助候補
「それは政策実現の場に我々がいるということですよね。政治は言ったことを実現する営みなので」

政権与党・自民党内での国場さんの存在を、自見前沖縄担当大臣は次のように話します。

▽自見英子 前沖縄担当大臣
「国場幸之助候補、日々、沖縄の振興の為に、汗を東京でかいている人であります。対馬丸の今の姿を見たいんだという、当事者の皆様の声を国場幸之助が内閣府に持ってきてくれた。1億円の調査費が概算要求に計上されるところまで至った」

「どうしても政府は、本当に困っていることがどこにあるのかというアンテナが、少ない時があるんですよね。国場先生の様な地元の先生が自民党の中にいて、いつもかき上げてくれるのがとても重要なんですね」

普天間基地の辺野古移設は、容認。その上で移設した後こそが重要だと話します。

▽国場幸之助候補
「例えば今後管理権の問題とか、軍民共用としての活用ができないかとか。政権与党自民党の中で沖縄の尊厳と、基地負担軽減と、抑止力という複雑な連立方程式に挑戦したい」

沖縄の自民党議員としての役割を果たすため、小選挙区での勝利を目指します。


公示後初の、土曜日のランチ時。

▽共産・前 赤嶺政賢候補
「うん、おいしいですよ。ずっと上の先輩議員からね、キチンと食事もして、ゆったりといろいろ考えて、やりなさいってね」

先輩の教えを守ってナス味噌弁当を頬張るのは赤嶺政賢さん。共産党の前職で、普天間基地の辺野古移設に反対するオール沖縄勢力の一角として、3回連続、小選挙区で当選しています。

掲げる公約は、ヨーロッパの国を手本に中小企業への直接支援を行いつつ、労働者の賃上げにつなげること。消費税を5%に引き下げるなど。そして公約の柱となるのがー

▽赤嶺政賢候補
「自衛隊がミサイル部隊をどんどん宮古・石垣・与那国、先島地域に配備強化している。沖縄を再び戦場にさせない」

自衛隊の南西地域への軍備強化や普天間基地の辺野古移設反対を訴えます。

沖縄の基地負担軽減を赤嶺さんが訴える意義について、共産党の田村委員長は次のように話します。

▽共産党 田村智子委員長
「赤嶺さんが2010年に行った国会質問。由美子ちゃん事件をこの質問で初めて知ったと思うんです。私もそうだった。どれほどの屈辱と苦しみを県民が強いられてきたのか。その歴史を我が身に刻んでいる。まさに魂の質問」

ー魂の質問と言ったが、質問をするかしないかは大きく違う?

「もう全然違います。(沖縄戦直後)畑を掘れば遺骨が出てきたことを赤嶺さん自身が経験している。リアルな戦争がなんなのかを知っている方の言葉の重みは今こそ国会に必要」

▽赤嶺政賢候補
「自分の年齢と重ね合わせて、沖縄で起きた米軍関連事件は全部体験して覚えていますから。そこを生き証人として訴えていきたいと思う」

沖縄戦直後から肌で感じてきた基地負担の現状を真正面から訴えるために、9期目を目指します。

このほか沖縄1区では、参政党の新人で大学教授の和田知久さんが、1次産業の支援政策などを訴え、立候補しています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。