事件発生当時、現職の県議会議員だった丸山大輔被告が、妻を殺害した犯人か否かで争われている裁判員裁判は、4つ設定された論点のテーマの内、「被告人の所在・移動状況」についての審理を23日、終えました。
司法担当の小口記者が改めて、今回の裁判の争点をまとめます。


小口記者:
裁判の最大の争点は、丸山被告が犯人であるかどうかの「犯人性」です。

検察側は、丸山被告が長野市内の議員会館から塩尻市の現場を往復し、妻を殺害したと主張しています。

一方、弁護側は丸山被告は議員会館にいて、殺害していないと無罪を主張しています。

裁判は、「現場の状況・痕跡」や「動機」など4つのテーマにポイントを絞って審理が行われます。

このうち、23日で審理が終了したのが、「被告人の所在・移動の状況」です。


最大の争点は事件の前日から当日にかけて、6か所の防犯カメラに映った車が丸山被告の車かどうかです。

宮入キャスター:
同じ車かどうか判断するポイントはどこにあるのでしょうか。

小口記者:
こちらが、犯行に使ったとされる丸山被告の車をSBCが撮影したものです。


後ろのナンバープレートの両側にへこみや、左後ろのタイヤの近くには線状のキズがあります。

裁判では、防犯カメラの映像が公開されましたが、車のナンバーは映っておらず、不鮮明で、見た目ではへこみやキズが分からないようなものでした。

検察側の証人として出廷したのが警察の捜査に協力した画像解析の専門家です。

防犯カメラの映像の明るさや色などを調節したところ、線が浮かび上がったと説明しました。

専門家はこの線が、丸山被告の車のへこみやキズと、位置や形が一致するとして、「同一性が高い」としました。

一方の弁護側の証人は、科学鑑定を請け負う民間会社の社長でした。

6か所のカメラのうち、5か所の映像が不鮮明であり、比較の対象とすること自体が困難と指摘。

防犯カメラに映った車のキズについても、丸山被告の車のキズと位置が同じとは言えないなどと主張しました。

宮入キャスター:
あす以降の裁判は?

小口記者:
24日からは2つ目のテーマである「動機」にポイントを絞って審理が行われます。

被告の元交際相手などが法廷で証言する予定です。

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