ジブリ音楽の巨匠・久石譲さんが、大阪の交響楽団の音楽監督に就任。なぜ引き受けようと思ったのか?MBS河田直也アナウンサーがインタビューしました。
(日本センチュリー交響楽団 次期音楽監督 久石譲さん)「1人でも多くのお客さんをつかんでいきたい」
作曲家・久石譲さん、73歳。スタジオジブリ作品をはじめとする、多くの映画音楽・CM音楽などを手がけた日本を代表する音楽家です。去年公開された映画『君たちはどう生きるか』では、アメリカの優れた映画・ドラマに送られるゴールデングローブ賞・作曲賞にノミネートされました。
そんな久石さんが今回、大阪を拠点とする「日本センチュリー交響楽団」の音楽監督に就任。73歳の今、なぜ新たな挑戦をするのでしょうか?
(河田アナ)「音楽監督を引き受けた経緯は?」
(久石譲さん)「このオーケストラで3年ぐらい主席客演指揮者をやってきました。ここが、室内オーケストラ、ちょっと小っちゃいオケなんですよ。小っちゃいというのは(現在の)世界の流行・ブームで最先端。だからやってみたい。年齢も年齢なので、最後のチャンスとしてやってみようかなと。それで引き受けました」
ここ、大阪で“新しいクラシック音楽”の形を作り上げていきたいという久石さん。ただ、オーケストラと聞くと、身近ではないイメージもありますが…
(河田アナ)「オーケストラには、『難しそう』というイメージもあると思うのですが?」
(久石譲さん)「そのとおりだと思います。僕が行っても寝ちゃいますよ。心地よく眠れるのは、それなりにいいなと(思う)」
(河田アナ)「親子にも楽しんでもらえる音楽をやりたいと聞いたのですが?」
(久石譲さん)「お母さんってやっぱり、子育てやってるときってほんとに大変ですよ。音楽聴いて気を抜きたいと思っても、『何歳以下はお断り』になっちゃうんですよ。そうじゃなくて、子どもが走り回っていい状況で、対応できる曲を選んで、それでやれば安心して聴けますよね」
久石さんの名曲を子連れのお母さんたちにも安心して楽しめるようにしたいのだといいます。
河田アナがオーケストラを取りまとめる久石さんにどうしても聞きたかったこと。番組のメインMC、いわば“現場監督”の河田アナが個性豊かな出演者のみなさんをどうとりまとめればいいのでしょうか?
(河田アナ)「楽団をまとめるために大切にしていることはありますか?」
(久石譲さん)「最も苦手なんですよ。ここもどれくらい持つかちょっと…。でも私は場所を提供する・環境を作る、実はこれが一番メインの仕事だと思います。オーケストラで唯一音を出していないのは誰だと思います?」
(河田アナ)「指揮者?」
(久石譲さん)「そう。音で食べているはずなのに、音を出していないのは指揮者だからね。方向を示すこと。こういう感じ、今のでいいんだよって、そういうことなんじゃないのかな」
久石さんにとって、オーケストラを届けるうえでの心構えとは?
(久石譲さん)「基本は1対1なんですよ、考え方。例えばオケ、大勢いても自分がやることは自分ですから。直接本人に語りかけていく、そういう感じの考え方のほうがいいなと僕は思ってやっています」
(河田アナ)「お客さんひとりひとりに届けるつもりでやると」
(久石譲さん)「そういうつもりでは、やっていますね」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。