物価高騰の終わりが見えない中、直撃を受けた有権者の暮らしは厳しさを増しています。

北海道各地で初雪が降った20日。

部屋の設定温度は12℃です。

生活保護を受給 菊地繭美さん(61)
「ストーブはすぐに消す。灯油代は高くなっているだろうなと思うし、全体的に(お金が)かからないように頑張ってはいるんですけど…」

 生きるために必要な灯油ですら「高嶺の花」です。

札幌市に住む菊地繭美さん。15年ほど前に、脳やせき髄などの組織が傷つくことで起きる国指定の難病「多発性硬化症」を発症しました。

顔の痛みや足の麻痺で働くことができず、生活保護を受けています。

 生活保護を受給 菊地繭美さん(61)
「(支給額)全体で(月額)1500円ぐらい減った。何で引き下げるのかな」

 政府は2013年からの3年間で、段階的に生活保護の支給額を減額。物価が下落する「デフレ」が理由でした。

 独り暮らしの菊地さんに支給されるのは、冬の灯油代を合わせてひと月12万円ほど。

家賃や水道、光熱費を支払うと、毎月手元に残るのはわずか5万円ほどです。

 生活保護を受給 菊地繭美さん(61)
「やっぱり水道代、光熱費を削るしかない。ごはんも、半額の物を買ってきて冷凍しておくとか」

生活保護の支給額と対照的なのが、「モノ」の値段です。

全国の消費者物価指数は3年前の11月から右肩上がりで上昇しています。

 特にコメや野菜、電気・ガス代など生活に欠かせないモノの値上がりが目立ちます。

一方で、実質賃金は今年5月まで26.か月連続で前の年の同じ月を下回るなど、収入が物価の上昇に追いついていないのが実情です。

買い物客
「全般的にみんな上がっている。野菜もパン類も。必要なものしか買いに来ない」

 買い物客
「一番困るのは米(価格が)去年の倍。主食だから、政府がきちんと流通させてくれればいいのに」

買い物から帰ってきた菊地さん。

夕方の「タイムセール」で店員が割引のシールを貼るのを待つのが日課です。

生活保護を受給 菊地繭美さん(61)
「パンときょう食べるもやしと、10%オフなのでこれを2個買って」

冬を乗り切れるのだろうか。初雪が降ると不安に襲われます。

生活保護を受給 菊地繭美さん(61)
「食品の値段も気にせずに食べたいのもを買って、食べられるような生活になればいいなと思うが。なかなか、そうはならなくて」

 夜の7時にはテレビ以外の電気を消して暮らす菊地さん。

テレビに映る候補者を見極め、生きるための1票を投じます。

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