去年、福岡県久留米市で、小学校教員の妻を殺害したなどとされる男の裁判員裁判で、福岡地裁は妻に対する殺人と死体遺棄罪についていずれも認定し、男に懲役16年を言い渡しました。
◆福岡地裁判決
判決を言い渡されたのは福岡県久留米市の無職・渡辺司被告(42)です。
渡辺被告は去年9月、自宅マンションで小学校教員の妻・彩さん(当時35)の首を圧迫して殺害したうえ、遺体をおよそ1か月間放置していたとして、殺人と死体遺棄の罪に問われていました。
21日、福岡地裁で行われた判決公判で、岡本康博裁判長は、彩さんに対する殺人と死体遺棄の罪を認定し、渡辺被告に懲役16年を言い渡しました。
◆これまでの裁判 双方の主張
これまでの裁判で渡辺被告は死体遺棄罪については起訴内容を認めたうえで、殺人罪については「私は妻を殺害していません」と否認していました。
検察側は殺害の動機について、新築マンション購入に伴う金銭トラブルなどを挙げ、「人命を顧みない無慈悲な意思決定は極めて強い非難に値する」などとし渡辺被告に懲役18年を求刑。
一方弁護側は、「彩さんは副業歴を勤務先にばらされると仕事や家庭を失うと考え自殺した」などとして殺人罪については無罪を主張。
死体遺棄罪については遺体の隠蔽などをしていないことに言及し、「同じような事件の中で、犯情が重いとまでは言えない」などとして、執行猶予付きの判決を求めていました。
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