パリオリンピック日本代表で現在、NBAグリズリーズとエグジビット10契約を結んでいる山口県柳井市出身の河村勇輝選手。
日本時間の10月8日、マーベリックス戦でプレシーズンマッチデビューを果たしました。得意の3ポイントシュートも決めるなど存在感を示しました。
そんな河村選手の活躍を山口県から支えた恩師との絆に迫りました。
森本敏史さんは、小学生時代指導していました。河村選手が小学2年生のころに入団した当時の振り返ってもらうとー
森本敏史さん
「来てすぐボールの扱いが上手だなと思いましたね、小さいですけどエネルギーのある元気な男の子だなと思いましたね」
「夢のような3日間」柳井のチームを全国大会初優勝に導く
父親がバスケをしていたこともあり、暇さえあればNBAの映像などを見て勉強する日々。小学4年生になると6年生のメンバーに混ざり試合に出場します。
常に自分よりも高いレベルの選手とプレイすることで、実力を伸ばしていきました。
森本敏史さん
「1番は視野が広いこと。私がコーチをしててあそこにパスを出して欲しいなと思うところに出せる選手はいい選手なんですけど、彼はその上を行ってて、そこに出すのかという感じがありましたね」
6年生の時、チームとして16年ぶりに全国大会に出場すると、強豪を次々と破りチームを初優勝に導きました。
森本敏史さん
「僕のなかでも柳井の田舎のチームが全国に出て優勝出来るのは夢というか目標としては持ってましたけど、達成できるかというのは難しいと思ってました。3日間リーグとトーナメントがあるんですけど夢のような3日間でしたね」
ミニバスを退団し、柳井中学校に進学した河村選手ですが、中学校での成績はベスト16。優勝にあと一歩届かなかった河村選手は高校の進路である決断をします。
中学時代に成し遂げられなかった「日本一」を取りたい
県外の、福岡第一高校(福岡県)への進学です。福岡第一高校は、言わずと知れたバスケ界屈指の強豪で部員は100人以上。3年間ベンチに入ることもできない選手もいます。
中学時代に成し遂げられなかった「日本一」を取りたい
オファーを受けた時、河村選手に迷いはありませんでした。森本さんは、故郷を離れて厳しい環境に身を置く河村選手を心配していました。
森本敏史さん
「それよりも山口県に残って山口県の舞台、チームで彼が活躍してくれる事の方が僕のなかではありがたいなそうなってほしいなとは思ってましたけど」
しかし、この選択が「河村勇輝」の名を全国に轟かせることになります。
1年からレギュラーで試合に出場すると、2年でチームキャプテンに就任、さらに18歳以下の日本代表入りを果たします。
3年で全国大会のウインターカップで連覇を果たすなど、4度の日本一を経験、高校最強のポイントガードとして一世をふうびしました。井手口孝(いでぐちたかし)監督は当時、なみなみならぬ努力の成果だと話します。
福岡第一高校 井手口孝監督
「高校の昼休みって40分くらいしかないんですけど、急いでごはん食べてそのあと着替えてシュート練習して着替えてまた教室戻るなんてことをやってるみたいなんです、それぐらいバスケットが好きなのか自分の技術をもっともっとと思っているのかそういう子です」
河村選手にとってこの高校生活が最大の成長につながりました。
世界と戦える選手になって、柳井市・山口県にいい報告を
森本敏史さん
「あの時に無理やり山口県に残ったらと言わなくてよかったなというのは、高校時代の活躍を見て本当に思いましたね」
「彼との出会いは僕にとって宝物ですよね」
柳井市に優勝を報告した時はー
河村勇輝選手(当時高校3年生)
「トップ選手になって、最後は日本代表のポイントガードになって、世界と戦える選手になって、柳井市、山口県にいい報告ができるよう頑張っていきたい」
ことば通り、河村選手は世界で戦うポイントガードまで登りつめました。森本さんは河村選手がプロの世界に入ってからも県外へ応援に行っています。
森本敏史さん
「スピードはミニバスの頃よりはもちろん上がってるし大きな選手のなかで頑張ってるなと思いますね」
河村選手はミニバス時代に森本さんから教わったことを覚えています。
河村勇輝選手
「すごい覚えているのはルーズボール1回しなかった(取りに行かなかった)ときにすごい怒られたことがあって試合中に」
「自分はあの時すごい怖かったんででもそれが勝負に対するものなんだろうなというのは感じましたね」
小学2年生から現在まで、森本さんは教え子を応援し続けています。そこにあるのは選手と監督の強い絆です。
Q:河村選手にとって、森本先生はどんな存在か
河村勇輝選手
「もう恩師というかバスケットを始めた頃の、本当のバスケットを教えてもらった1番最初の先生なんでどんな形であれ結果を残していくことが先生への恩返しになると思ってるんでそこはいつも気持ちを込めて試合に臨んでいます」
森本敏史さん
「涙が出そうです。本当にSNSでやり取りはするのにいつも感謝の気持ち込めてプレーしますと返してくれるのでありがたいなと、本当に宝物です」
(tys mixで2023年5月 放送)
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