東御市では市内の4小学校にある給食室を統合してセンター化する計画が進められています。
市の教育委員会は、施設の老朽化や少子化を理由に上げていますが、一部住民からは議論の場がないなどとする声が上がっています。


東御市では9月市議会の最終日の24日、給食センターに関わる予算案が審議されました。

反対する議員からは、設計などに関わる委託料6300万円余りを削るなどの修正動議が提出されました。

田中博文議員:
「市の早急にも見える進め方に違和感を感じ、もう少し保護者の皆さんが納得してから進めるべきとの考えです」

一方、原案に賛成する議員は。

大塚博文議員:
「給食センターの建設事業は、順調に進めたとしても数年を要する事業であり、途中どんな問題が起きるかもわかりません。したがって進められる時にはどんどん進めていくべきものと考えます」

採決の結果、予算案は賛成多数で原案通り可決されました。

東御市教育委員会 深井芳信(よしのぶ)教育次長:
「4つの小学校については(給食室ができてから)40年以上が経過している」

計画によりますと、市の教育委員会は田中、滋野(しげの)、祢津(ねつ)、和(かのう)小学校の給食室を統合し、田中小学校の北側に新しい給食センターを建設します。

背景にあるのが、施設の老朽化や少子化で、アレルギー対応食を調理する部屋も設ける計画です。

センター化を巡っては、計画に市民の声が反映されていないなどとして、市内の小学校の保護者などが今年3月の市議会に、議論の場を求めて688人の連名で請願を提出し、採択されました。

アレルギーの子どもを持つ親は、これまでの自校給食でのきめ細かい対応が、センター化で失われるのではないかと不安を訴えます。

アレルギーの子を持つ親:
「毎月の献立の中身をすべて把握しているんですけど、そこで私が初めて見る食材に関しては、栄養士の先生が、どこどこのこういう食材をっていうのを、すべてプリントをくれて私が目で確認をして、大丈夫っていうことのやりとりを(毎月)したうえでやっているんですけど、その毎月が果たしてセンターになったらあるのかどうかとか」

東御市教育委員会 深井芳信教育次長:
「当然アレルギー対応に関しては、個々に応じた対応を継続しながら、自校給食に近い給食センターを作りたい」

また市教委は統合対象の4小学校を中心に説明会などを開いていますが、請願を出した保護者は、当事者の意見をくみあげるような場にはなっていないと主張します。

佐橋真意さん:
「話し合い議論を重ねたというのは全く実感としてないし、あちらは決定事項を十分に理解できるまで説明するって思ってるんですけど、私たちはなぜそれをするのか、それをするにあたってじゃあどういう風に自校がよかったっていう思いをセンターに反映してくれるのか、そういうところを聞いてほしいだけなんですけど」

市教委では7月に4つの小学校の校長やPTAの代表者のほかに、公募した委員などでつくる建設検討委員会を発足させ、業務の内容などについて住民の意見を取り入れながら議論を進めているとします。

センター化を巡っては、手続きに問題があるとして住民有志が費用の支出差し止めなどを求め、裁判を起こしました。

訴訟が提起される中で、計画が進んでいくことに対して市教委は弁護士と相談しながら、進められることについては事業を推進してきたいとしています。

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