すい臓がんを公表し、辞職を表明した氷見市の林正之市長が18日、氷見市議会に退職の申し出をしました。任期途中の辞職について林市長は「痛恨の極みであり、お許し願いたい」と述べ、残りわずかの任期については最後まで復旧・復興対策を前に進めると決意を示しました。

氷見市議会9月定例会最終日。林市長は自身にとって最後の議会であいさつし、今後の氷見市政への期待と市民への感謝の言葉を述べました。

氷見市 林正之市長
「復旧・復興に向けてまさしくオール氷見で心を一つにして、一丸となり活力ある氷見市を取り戻していただきたいと切に願っております。氷見市、氷見市議会の限りない発展と市民の皆様1人1人のご健康、ご多幸を心からお祈り申し上げ、御礼のごあいさつとさせていただきます。本当に皆様、長い間お誘いを頂きまして誠にありがとうございました」

林市長は67歳。2017年の市長選で初当選し現在2期目です。

元日の能登半島地震が起きてからは市職員の先頭に立って氷見市の復旧・復興に向けて尽力してきました。

しかし先月、ステージ4のすい臓がんを公表。治療に専念するため来年4月6日の任期満了を待たず、11月8日に辞職することを表明していました。

そして18日午後…。

氷見市 林正之市長
「この能登半島地震、復旧・復興を目の当たりにしながらこの任期途中で辞職せざるを得ない。本当に痛恨の極みといいますか本日、退職申し入れ書をお持ちしましたので、どうかお許しを願いたいと思います」

氷見市議会の積良岳議長に退職の申し出を提出しました。

氷見市 林正之市長
「今後はまた新しいリーダーのもと市当局と議会と一緒になりまして、新しい氷見市をつくっていっていただきたいと思います」

氷見市議会 積良岳議長
「林さんのスピリッツを持ちながら、一生懸命またこの氷見市のために議会も頑張っていきますんで、またよろしくお願い致します」

この後、報道陣の取材に応じた林市長は…

氷見市 林正之市長
「人生の総決算のつもりで、これまで復旧・復興の道を歩んできたわけでありますけども、道半ばにして最中で病に倒れるということは本当にざんねんで仕方のない。本当に無念で断腸の思いであります」

林市長の辞職に伴い、氷見市長選は10月下旬に告示される見通しで、後任候補者の選考が進んでいます。

自民党氷見市支部は、自薦・他薦で候補者を募り、その結果、自薦で氷見市議2人と地元出身の元国土交通省・職員の男性、他薦で県の幹部職員とOBなど3人、合わせてに6人に絞り込みました。

早ければ今週中にも後任候補を1人に絞りこむ考えです。林市長は自身の後任について…。

氷見市 林正之市長
「市民奉仕、そんなお人柄がまずは大事だろうというふうに思います。そうしたうえで、まずはやっぱり喫緊の課題であります地震の災害からの復旧復興、1日も早い復旧・復興に向けて取り組んでいただける方そんな方が望ましいと」「市民のみなさんが氷見市に誇りを持って幸せに暮らせるそんな社会の仕組みづくりもつくっていっていただきたいと思います」

林市長は今後も通院を続けながら公務にあたり、任期の最後まで復旧・復興を前に進める考えを示しました。

氷見市 林正之市長
「まずはしっかりとやり残したこと、特に液状化対策。何とか10月を目処に対策方針を出したいと思っておりますし、公費解体、災害公営住宅の整備、そして液状化対策この3つをなるべく前へ前へ進めてまいりたい」

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