2021年に当時、中学1年生だった野々市市の女子生徒が同級生からいじめを受け自殺した問題。

学校側がいじめの防止措置を怠ったとして、生徒の両親が市に損害賠償を求めた裁判の初弁論が9日開かれました。

父親「娘がかわいそうすぎる。何としてもその気持ちを晴らしてあげたい、それだけです」

2021年2月、野々市市の布水中学校に通っていた当時1年生の女子生徒がいじめを苦に自ら命を絶ちました。

女子生徒は学校によるアンケートでいじめの被害を訴えていたものの、学校側は市の教育委員会に対し「いじめは解消した」と報告していました。

外部の委員でつくる市の第三者委員会は2023年2月、同級生らが女子生徒以外のメンバーでSNSのLINEグループを作り陰口を言うなどした29の行為をいじめと認定しました。

父親「きちんと真実を確定させて、そしてそれに対する報いというか責任を誰かがちゃんと果たすけじめをつけたい」

9日に金沢地裁で開かれた初弁論で両親は学校側がいじめの防止措置を怠ったとして、市に対し7227万円余りの損害賠償を求めました。

法廷に立った父親は、意見陳述で涙ながらにこう訴えました。

「中学1年生の女の子が死を決意せざるを得ない状況に追い込まれる思い、そして私と妻の一生消えない心の傷をご理解いただき野々市市の責任を認める判決をお願いします」

野々市市は弁護士の都合がつかなかったとし9日の裁判を欠席、訴えに対しては争う姿勢を示しています。

傍聴席で父親の意見陳述を聞いた野々市市の大久保邦彦教育長は。

野々市市・大久保邦彦教育長「尊い命が失われて3年半が過ぎました。改めまして哀悼の意を表したいと思います。(意見陳述では)お子様を想う気持ちが表れていたと思っております、深く受け止めたいという風に思っております」

このいじめ問題をめぐっては、女子生徒の両親が、いじめに関わったとされる同級生らに対しても、損害賠償を求める裁判を起こしています。

両親は生徒8人と教員1人に賠償を求める民事調停を申し立てましたが、このうち生徒4人と教員とは成立、3人とは継続中、もう1人の生徒とは不調に終わっています。

両親は8月16日付けで、調停が不調に終わった同級生に対し165万円の損害賠償を求めています。

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