8日に初日を迎える大相撲秋場所を前に、石川県津幡町出身の関脇・大の里が茨城県の二所ノ関部屋での公開稽古に臨みました。注目を集めたのが師匠・二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)を相手に17番相撲をとったことでした。

【写真を見る】大の里vs元稀勢の里 師弟の17番勝負・全シーンと決まり手

同じ相手と何番も相撲をとる稽古を「三番稽古」と呼びますが、新進気鋭の力士とレジェンド横綱、師弟のガチンコ勝負を一番ずつ徹底分析します。

序盤は大の里が勢いで圧倒 圧力の強さを見せつける

【1番目】○大の里(寄り切り)二所ノ関親方●
立ち合いは胸でいった大の里、その勢いのまま二所ノ関親方を土俵際まで追い詰めます。すぐに右の上手を取り親方に上手を取らせず寄り切りで完勝。

○大の里(寄り切り)二所ノ関親方●

【2番目】○大の里(押し出し)二所ノ関親方●
立ち合いは頭からいく親方ですが、大の里は下がりません。左のハズが決まり親方の上体はまっすぐになり、そこを一気に押し出し。2番続けて会心の相撲を見せます。

○大の里(押し出し)二所ノ関親方●

【3番目】○大の里(下手ひねり)二所ノ関親方●
今度も親方の低い立ち合いに大の里は当たり負けせず、左右のハズ押しで土俵際までもっていきます。親方が左にまわりこむと腰をおろした状態で食らいつき、最後は右の下手からのひねりが効いた形になりました。大の里が3連勝です。

○大の里(下手ひねり)二所ノ関親方●

二所ノ関親方が見せる貫禄 これぞ「横綱相撲」で大の里を土俵の外へ

【4番目】●大の里(寄り切り)二所ノ関親方○
今度も立ち合い頭であたった親方がすぐに自分十分の左四つになります。胸を合わせてじりじりと大の里を追い詰め土俵の外へ。元横綱の貫禄を感じさせる相撲で親方が勝ちました。

●大の里(寄り切り)二所ノ関親方○

【5番目】●大の里(押し出し)二所ノ関親方○
立ち合いから親方は突き放しにかかりますが大の里が組み止めます。大の里の右、親方の左の差し手争いになりますが、親方が左腕で肩越しに押すと大の里の体勢が崩れます。押し出しで親方に軍配。3連敗のあと親方が2連勝です。

●大の里(押し出し)二所ノ関親方○

【6番目】○大の里(寄り切り)二所ノ関親方●
立ち合いからすぐに大の里が圧力をかけます。最後は得意の右ものぞかせながら親方の上体を起こし寄り切ります。

○大の里(寄り切り)二所ノ関親方●

【7番目】●大の里(寄り切り)二所ノ関親方○
立ち合いは離れての両者、親方が右ののど輪で崩そうとしますが大の里は下がりません。その後、左四つに組んで親方有利になったところ大の里は右を巻き替えようとします。ところが親方はそのスキを逃さず一気に前に出て寄り切り。「相手が巻き替えたところを攻める」そのセオリー通りに勝った親方が見本を示したような一番でした。

●大の里(寄り切り)二所ノ関親方○

「圧力」と「おっつけ」 大の里が力を見せつけ4連勝

【8番目】○大の里(寄り切り)二所ノ関親方●
立ち合いは頭で当たり、再び右のど輪で攻める親方。しかし、大の里は下がらずその攻めをかいくぐり圧力で親方を凌駕します。低い姿勢から寄り切って大の里が勝ちます。

○大の里(寄り切り)二所ノ関親方●

【9番目】○大の里(押し出し)二所ノ関親方●
低い親方の立ち合いをこらえた大の里。強烈な右のおっつけで一気に親方を土俵の外へ運びます。親方の左を完全に封じる技能相撲を見せました。 

○大の里(押し出し)二所ノ関親方●

【10番目】○大の里(押し出し)二所ノ関親方●
大の里はこの一番でも親方の右のど輪をこらえてから右のおっつけがさえ、半身の体勢にさせて押し出します。

○大の里(押し出し)二所ノ関親方●

【11番目】○大の里(寄り切り)二所ノ関親方●
大の里が右のおっつけから遮二無二前に出て親方を圧倒。わずか2秒あまりで決着がつく「電車道」の一番でした。

○大の里(寄り切り)二所ノ関親方●

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