年金機構の職員をかたる男からの電話で、新潟県小千谷市に住む60代男性がおよそ99万9000円の特殊詐欺(還付金詐欺)の被害に遭っていたことが24日にわかりました。

警察によりますと今月12日、小千谷市に住む60代男性宅の固定電話に、年金機構の職員を名乗る男から電話がありました。男は「年金を払い過ぎています。還付の手続きは今日までです。書類がなくてもネットかATMでも手続きできます」などと言われ、男に携帯電話番号を伝えたということです。

男性はその後、金融機関に向かい、その途中に男からかかってきた電話で指示をされるまま、ATMで操作したということです。利用明細書を確認したところ、99万9000円を振り込みさせられていたことがわかり、被害を届け出たものです。

実は、23日にも見附市の60代の女性が、年金事務所の職員をかたる電話を受けて、同様の手口で被害にあっていたことがわかりました。被害金額は同じ“99万9000円”でした。
3月にも上越市の60代女性が約99万円を振り込む詐欺被害が起きています。

なぜ”99万9000円”なのでしょうか。新潟県警に聞きました。

Q、なぜ被害金額が揃って“99万9000円”なのですか?
A、被害者は自分がいくら振り込んでいるかわからないと思います。犯人から言われた数字を打ち込んでいるだけで、そもそも振り込んでいるという意識はないと思います。

新潟県警本部

Q、ではなぜ“99万9000円”の被害が相次いでいる?
A、コンビニや金融機関にあるATMの多くは、1回に最大50万円しか振り込むことができません。それを2回振り込ませているからではないでしょうか。

では、なぜ被害金額が“100万円”ではなく”99万9000円”なのでしょうか。被害者の多くが、「犯人から言われたままに数字を打ち込んでいる」「お金を振り込んでいる意識はない」とすれば、「500000」と振込上限金額の打ち込ませるよりも、例えば「498545」などと打ち込ませる方が、“お金を振り込ませているのではない…”と誤解させられる可能性が高いのかもしれません。

いずれにしても「還付金がある」「ATMで手続きができる」という言葉が電話口から出てきたら詐欺を疑わなければなりません。

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