勢力を強めながら接近している「台風10号」は、週末に列島を縦断するおそれも出てきました。各地の雨や風のピークはいつになるのでしょうか?

■台風10号 なぜ西寄りになった? 動き遅い? 進路決まらない?

広瀬駿 気象予報士:
台風の進路予想がガラリと変わってきています。

26日15時の気象庁発表によりますと、台風は強い勢力で西へ進んでいて、27日は奄美地方に接近し、そこから東にグッと向きを変えていく見込みです。

予報円の中心付近を通れば28、29日ころ九州に接近して上陸する恐れがあります。台風の中心が予報円に入る確率は70%なのですが、30日の予報円がこれまでの予想よりも大きくなっています。そのため台風の進路が日本海方面か、太平洋上に進むのかわからない状況です。ただ、広い範囲で列島の真ん中を通る場合は大荒れの天気となる恐れがありますので、厳重な警戒が必要になります。

進路が西寄りになったのは、『寒冷渦』と呼ばれる、上空の冷たい空気でできた低気圧の渦巻の影響を予想よりも受けたためです。

台風は大きな被害をもたらす怖い存在ですが、周りの風に流されて動くため自分自身の進路を決めることができません。今回、この寒冷渦の反時計回りの風に振り回される形になったのですが、よりその振り回され方が強くなったため西の方に進路が変わったということです。

台風の動きはとてもゆっくりです。これは太平洋高気圧に押し出されて西に進んできた途端、西からチベット高気圧が通せんぼをして、二つの高気圧の板挟みのような状態になっているからです。

当初、北に進めば上空の偏西風=強い西風に乗ってスピードを上げながら進路は東寄りに変わるだろうという見通しだったのですが、これにも乗れず、板挟みになってノロノロと動く予想になっています。

予報円が大きいのも「チベット高気圧」「太平洋高気圧」「上空の偏西風」のパワーバランスが複雑で予想が難しいため、進路として定まっていない状況です。

■台風10号 雨と風の影響長引く 今後の進路に注意

井上貴博キャスター:
今後の予想雨量です。

【27日 夕方まで】
・東海 180ミリ
・近畿、九州南部 120ミリ
・四国、奄美 100ミリ

【27~28日夕方まで】
・九州南部 400ミリ
・奄美、東海 200ミリ
・四国、九州北部 150ミリ
・近畿 120ミリ

【28~29日夕方まで】
・九州南部 500ミリ
・東海、近畿、四国、九州北部 300ミリ
・奄美 200ミリ

広瀬 気象予報士:
台風接近のタイミングが2日遅れそうという見込みで、その2日分が大雨になってしまうため、大雨の影響は悪い見通しに変わってきています。

九州南部はトータルで見たら雨量が1000ミリを超えるかもしれません。普段から雨に慣れている地域ではありますが、大災害に結びつくような降り方となる可能性がありますので、備えは早めにしてください。

また、湿った空気が流れ込むため、関東など、台風から遠い地域も大雨に注意です。大雨となる材料はまんべんなく全国的に流れ込んでいる状況です。台風の中心から離れているからといって油断しないようにしてください。全国的に前線の影響もありますので、今週は大雨や台風の情報に注意をしながら過ごしてください。

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