国が少子化対策として打ち出した「こども誰でも通園制度」。
8月から北海道札幌市でもお試しの運用が始まりましたが、実際に利用して見えてきた課題とは。

リモート会議中のみかさん(34)です。静かな部屋で仕事に集中しています。

 しかし、普段の彼女は、4歳と2歳の育児に追われる日々です。

みかさん
「おはようございます」

 保育士
「お預かりします。お母さんいってらっしゃ~い」

この日、やってきたのは札幌市厚別区内の保育園。「こども誰でも通園制度」を利用するためです。

8月、札幌市でも「お試し運用」が始まったこの制度は、国の少子化対策のひとつで、保護者が働いているかどうかにかかわらず、生後6か月から2歳児までの子どもを預けることができます。

料金は1時間当たり300円。月に最大10時間利用が可能です。

 保育士と園児
「いただきま~す!」

おやつの時間です。

 2歳のさつきちゃんです。アレルギーがありますが心配いりません。

事前に、保育園との面談で確認が済んでいるからです。

みかさん(34)
「たまごと乳製品と、ごまとキウイとナッツとそば…」

 みかさん(34)
「一時預かりのときは『私用』か『仕事』か書かなければいけなくて。この子にも負い目を感じていた。働いていなくても使っていいよという制度なので、『使っていいんだ』って思えて気持ちも楽になりました」

みかさんのもうひとつの顔は、5000人ほどのフォロワーがいるインスラグラマーです。

 みかさんは、この日、手に入れた3時間で、リモート会議、インスタのまとめ投稿、大きな買い物を済ませることができました。

保育士
「バイバイ」

 さつきちゃん
「ママー!楽しかった」

みかさん(34)
「あっという間だったけど、この3時間あるとないとじゃ全然違う。私自身、仕事はしていたが息抜きができて…」

運用が始まって3週間あまり。一方で、課題も浮かんでいます。

みんなのナーサリー 加藤郁子園長
「皆さんのお役に立てればと思って始めたが、思うように預かってあげられないのが実態」

 札幌市子ども未来局 八幡達輝さん
「なかなか保育士の人手不足で実施が難しいという声もある。より現場や利用者の声が反映される制度になっていけば」

札幌市によりますと、登録した親子は約280組と関心の高さが伺えます。

2025年3月までのお試し期間で、さらに課題を洗い出すことになります。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。