運転免許の更新に欠かせない講習の受講。通常は対面で行われますが、一部の地域ではオンラインで講習を受けることができるのです。警察庁が今後全国展開も目指しているオンライン講習、一体どのような仕組みなのでしょうか。
運転免許証の更新は通常、警察署や免許センターへ行き、視力検査や写真撮影、対面での講習を受けて手続きを完了させるという流れです。
待ち時間が長いというイメージがある人も多いのではないでしょうか。
そんな中、警察庁は2022年2月から北海道、千葉県、京都府、山口県の4道府県を対象にスマートフォンやパソコンで受講可能な、免許更新時の「オンライン講習」を始めました。
これは免許更新時の「業務の効率性向上」と「利用者の利便性向上」を目指して全国展開を視野に試験的に行われてるもので、4つの道府県の受講状況やアンケートなどから課題を分析しているということです。
対象は「優良」または「一般」の運転者
警察庁は、オンライン講習を受ける条件を以下のように定めています。
①北海道、千葉県、京都府、山口県の公安委員会の更新連絡書を持っている人で、「優良運転者」または「一般運転者」である
②オンライン講習の受講および免許証の更新の時点で上記4道府県に住んでいる
③住所が上記4道府県のマイナンバーカードを持っている
④現在住んでいる上記4道府県において更新手続きをする予定である
オンラインで受講も交付はセンターへ
では、オンライン講習はどんな手順で受けられるのでしょうか。流れは次のとおり。
①スマートフォンまたはパソコンで警察ホームページから専用サイトにアクセス
②マイナンバーカードを読み取り、パスワード入力してログイン
③講習動画を視聴(優良運転者は約30分、一般運転者は約40分)
④適性診断に回答(優良運転者は任意、一般運転者は必須)
⑤アンケートに回答
⑥運転免許センターまたは警察署で更新手続き(視力検査・写真撮影含む)
オンラインで講習を受けたとしても、写真撮影や交付のために免許センターなどを訪れる必要があるのは現在と変わらないようです。
2024年度末までに全国展開?
警察庁のまとめによりますと、2022年2月から2024年2月までに免許を更新した人のうち、オンライン講習の対象者は4道府県あわせて約132万人。
実際にオンライン講習を利用したのは24.3%であったことが分かりました。
利用者からは、「妊娠・子育て中で好きな時間に受けられてよかった」「仕事を休む必要がなくなりよかった」といった意見があった一方で、「マイナンバーカードの認証が分かりづらい」「動画の再生速度が遅い」などといった意見が上がったということです。
現在は4つの道府県で試験的に導入されているオンラインでの更新講習。
警察庁は、2024年度末までに全国展開する方針を示していますが、まだ具体的な日程などは発表されていません。
多様な生活スタイルに合わせて利用できる新しいシステム、今後の動向に注目です。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。