千葉県警は9日、同県いすみ市の住宅で6日に1人暮らしの無職石上静子さん(89)の遺体が見つかったと発表した。首に絞められた痕があり、司法解剖の結果、窒息死した可能性が高いとみられる。県警は殺人事件と断定していすみ署に捜査本部を設置した。

石上静子さんの遺体が見つかった自宅=千葉県いすみ市で

 捜査本部によると、6日午後5時ごろ、石上さん宅に設置されている警備会社のセンサーが反応しなくなり、駆けつけた警備員が遺体を見つけた。石上さんは部屋着姿で、2階寝室であおむけに倒れた状態だった。  石上さんは頭に傷があり、耳からも出血していた。室内に大きく争った形跡はないという。  現場は、JR外房線の浪花駅から南に約500メートルの住宅街。  ◇  ◇

◆「80歳過ぎまで働き、頼られていた」

 千葉県いすみ市の無職石上静子さん(89)の遺体が自宅で見つかった事件で、現場周辺では9日、警察官が通行を制限しており、物々しい雰囲気に包まれていた。  周辺住民によると、石上さんは20〜30年ほど前、分譲地に建てられた家に夫と引っ越してきた。十数年前に夫に先立たれ、1人暮らしだった。  近くに住む女性(74)は、一時期、民宿で石上さんと一緒に働いていた。「石上さんは80歳過ぎまで働き、頼られていた」と言う。最近も、見かけるたびに世間話を楽しんだ。最後に会ったのは7月の終わりごろ。石上さんは収穫したブルーベリーを持ってきてくれたとし、「恨みを買う人ではない」と話す。  石上さんを自宅に招き、よくお茶をしていたという女性(94)は「明るくてしゃべりやすい人だった」と振り返った。(長屋文太) 

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