熱戦支える広島企業の技 1964年東京五輪バレーボールで初採用

パリオリンピックで、広島の企業の「技」が熱戦を支えています。注目の競技「バレーボール」です。青と黄色を基調としたボールは、V200Wです。手がけたのは、広島市安佐北区に本社を置く「MIKASA」です。

末川徹記者
「過去のオリンピックで使われたものと同じボールが飾られています。1972年にドイツのミュンヘンで使われたボールのデザインはシンプルで『MIKASA』と書かれています」

1917年創業「MIKASA」のバレーボールが初めて採用されたのは、1964年の東京オリンピックでした。競技用のボールは、「ラリーが見やすい」「選手が使いやすい」を追求し、カラーにするなど、独自の技術を積み上げてきました。

パリ五輪公式球は4年をかけて開発 製造は大きく3つの工程

パリオリンピックの公式試合球 V200W は、およそ4年かけて開発されました。

MIKASA 商品開発部 大土俊文課長
「手との接地面積を大きくて、指のタッチ感を上げる。ゴルフボールのように飛行得性を良くする効果」

ボールの製造は、大きく3つの工程に分かれています。まず、黒いゴムに熱を加えて、弾力性を出します。次に使うのは、ナイロン製の糸です。1つのボールになんと3000メートルを巻きつけ、ボールの形状などを保つ役割です。仕上げは、ボールの表面に1枚ずつ、ノリでパネルを貼っていきます。

MIKASA 商品開発部 大土俊文課長
「途中でしわになったり、パネルに隙間ができたり、熟練者でないと難しい」

ここまで、最低3日はかかるそうです。次に、ボールの耐久テストに進みます。

末川徹記者
「びっくり。同じところにずっと当たっていて、(壁の)色が変わっています」

機械は、時速50キロの速さでボールを打ち出し、これを2万回繰り返します。

MIKASA 商品開発部 大土俊文課長
「規格としては、1万回が基準だが、2万回して問題がないか確認している」

このほかも、厳しい基準をクリアして、晴れて、公式球の誕生です。

MIKASA 商品開発部 大土俊文課長
「『品質』にこだわって作っているので、世界の選手の最高のパフォーマンスの手助けになれば」

世界最高峰を決める戦い…。広島発祥のボールを追いかけて、頑張れ、ニッポン!

パリオリンピックで、「MIKASA」のボールは以下の3つの競技が採用されています、
 ・バレーボール
 ・ビーチバレー
 ・水球

「MIKASA」は、3競技のパリ2024公式ライセンス球を販売しています。

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