7月20日に山口県山口市で始まった7日7夜の山口祇園祭は、27日に最終日を迎えました。最終日は、みこしを御旅所から八坂神社に戻す「御還幸」を女みこしが彩りました。

1週間にわたった山口祇園祭。最終日を彩る女みこしの準備は、本番の4時間以上前から始まりました。

メイクをする学生
「よし、オッケーです」
女みこしの担ぎ手
「ありがとうございます」

20日に始まった山口祇園祭の最終日、御旅所で市民を迎えた神様を八坂神社に連れて帰る「御還幸」で登場するのが女みこしです。

女みこし代表・沓野優紀さん
「まつりの華って思ってるんですよ。最終日に『ええもんみせてもらったな』っていうふうに、観客の人が思っていただけるように、華やかに元気に御奉納できたらいいなって毎年思っています」

赤基調のメイクでまつりに彩り

担ぎ手は、豆絞りを額に巻き、鮮やかなはっぴ姿。髪を結って、赤を基調とした化粧も施します。化粧はこれまでは自分でしていましたが、今年はYICビューティモード専門学校の学生が担当しました。

みこしの担ぎ手
「みなさんおきれいですよね。知り合いが結構いたんですけど、メイクで全然違うから気づかない人がたくさんいました。ふだんしないメイクだし、豆絞りとか着けないじゃないですか。気分上がりますよね」

参加するのはおよそ100人。女みこし以外の2つのみこしは、白いはちまきとさらし姿の「裸坊」が担ぎます。女みこしが加わってまつりに彩りが生まれます。

担ぎ手不足でトラックで運んだ時代も

午後7時すぎ、御旅所に担ぎ手たちが集まりました。この「御還幸」。かつては担ぎ手が足りず、みこしをトラックで運んだ時代もあったといいます。

山口祇園祭振興会・俵田祐児事務局長
「御神幸でおみこしを担いできたのであれば、おみこしを担いで八坂神社まで神様をお連れするということを始めて、その当時は四角みこしは女みこしとして担いでもらおうということで。神事で女性が、という時代もあったみたいですけど、それを乗り越えて女みこしを取り入れて今に至っております」

神事を終え、女性の神様をのせた四角みこしを担ぐ女みこしを先頭に出発。六角と八角のみこしを担ぐ裸坊らが続きました。

初対面のメンバーも気持ちを一つに

女みこしは、25年ほど前に商店街連合会が始めました。防府天満宮の「天神おんな神輿」に参加する人から、担ぎ方や服装など、基本を教わったといいます。

天神おんな神輿・山近真美副会長(女みこしにも立ち上げから参加)
「山口市は転勤族の方が多かったり、大学生が来られたりとかで、毎年メンバーが一緒ということがほとんどなくて。そういう人たちをその日だけの練習なしで意気投合させるっていう意気込みというか、楽しさというのもありますね」

初日は、宮野地区の人たちを中心とする「裸坊」が担いだ四角みこし。男性が担いでも重いものですが、裸坊と同じように、みこしを回したり差し上げたりして、市の中心部を盛り上げました。

10回程度参加しているアメリカ出身の女性
「2012年から開催されているときは絶対参加しようとしています。参加できるというのは、本当に山口市に来てよかったなと思います」
20回程度参加している女性
「みんな必死なところがすごいいいですよ。これすごい重たいんですよ。それを一生懸命担ぐというのが一番楽しいですね」

母親と参加した女性
「実家にいないので、夏に帰ってきて、お母さんと担げるのが楽しいです」
母親
「娘とおみこしを一緒に担げてよかったです」

2時間ほどをかけて八坂神社までの道のりを担ぎきりました。

女みこし代表・沓野優紀さん
「一度担ぐと、みんなすごい楽しそうだったでしょ。きつかったけれど、みなさん楽しかったって言ってくださいますので、超人気の女みこしになってほしいです」

八坂神社などによると、ことしの山口祇園祭の初日には、去年より5000人多い3万5000人。中日には3万3000人が訪れたということです。

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