「運転席に誰も乗っていないのに、停車中のトラックからクラクションが鳴り続けている」夏恒例の「怖い話」のようですが…違います。
実は身近に起きる可能性もあるというこの出来事。運送会社に話を聞くとその理由が分かりました。

暑さ厳しい今の時期、インターネットでよく見かけるこんな情報が…

「運転席に人がいないのに停車中のトラックからクラクションが鳴り続けていたら…すぐに荷台を開けて!」

誰も乗っていない停車中のトラックからクラクション…とは、一体どういうことなのか?

島根県を拠点とする運送会社を訪ねました。


宝持運輸 地場配送部 井澤智之 部長
Qこれは事実なんでしょうか?「そうですね。荷台の中に『安全ブザー』というものがついていて、そこで鳴らすことが可能」

なんと本当に、運転席に誰も乗っていなくても鳴らせるのだそう。

実際に見せてもらいました。

このボタンを押すと、クラクションが鳴るのでしょうか?

安全ブザーと書かれたボタンを押すと、確かに、クラクションと同じ音が鳴りました。

運転席以外からでも鳴らすことができるクラクション。なぜこのような仕組みがあるのでしょうか?

宝持運輸 地場配送部 井澤智之 部長
「閉じ込め防止。作業中で誤ってドアを閉められてしまった場合に、中からまだいるよというのを知らせるためについている」

理由は「閉じ込め防止」。

大型トラックの荷台の多くは、外からドアを閉められてしまうと中から開けることができない構造になっているそうです。

そのため、荷台の中で作業中、強風などで不意にドアが閉まってしまったり、中に誰もいないと思って、ほかの作業員などが閉めたりすると、中からは自力で出ることができず、外からドアを開けてもらわない限り閉じ込められ続けます。


小林健和アナウンサー
「これが今ドアが閉まっている状態です。開けようとしますが…中からはもうびくともしません開かないです」

こちらの運送会社では、冷凍機能のある大型トラックにクラクションの音が鳴る安全ブザーをつけているとのこと。

また、厳しい暑さが続くこの時期は、エンジンを切ると、車内の温度も急激に上昇するため、閉じ込められ続けていると、命の危険を伴います。

宝持運輸 地場配送部 井澤智之 部長
「マイナス30度の設定まで可能なので、エンジンかけっぱなしだと、どんどん冷えていく。この時期だったら、庫内はどんどん気温が上がっていくので、閉じ込められたらそのまま熱中症になってというところ。

故障かなと思ってしまうかもしれないんですけど、中に作業員がいてブザーを鳴らしていることだと思って、不審に思わず駆け寄っていただいて、扉を開けて救助していただきたい」

運転席に誰もいないのにクラクションが鳴り続けている…夏の怪談話ではない、思わぬアクシデントの可能性があるということです。

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