北薩横断道路の北薩トンネルでは、路面から水がわき出したり、壁が崩れ土砂が流れ込んだりして、トンネル周辺は通行止めとなっています。復旧には年単位に及ぶ可能性があり、道路を利用している運輸業者に影響が出始めています。

トンネルの壁にできた亀裂から、滝のように流れ込む水。大量の土砂も流れ込んでトンネルをふさいでいます。

鹿児島県によりますと、出水市とさつま町にまたがる北薩横断道路の北薩トンネルでは、今月25日に地面から水が湧き出し、路面が浮き上がっているのが確認されました。

北薩トンネルは2018年に供用が始まった全長5キロ近くの県内で最も長いトンネルで、その後も水の吹き出しや土砂の流れ込みが相次ぎ、その範囲は全長100メートルに広がっています。

北薩トンネルがある北薩横断道路は、鹿児島空港から県北部の阿久根市を結ぶため、県が順次整備を進めています。

トンネル付近の高尾野インターとさつま泊野インターの間は、およそ14.5キロメールの区間で通行止めが続いています。

トンネルが通るさつま町・紫尾山では、7月中旬までの1週間で、例年7月の1か月分に相当する598ミリの記録的な雨が降りました。

雨が原因なのか?県は28日、急きょ開いた記者会見で…。

(県道路維持課・塩屋勝久課長)「建設当時からトンネル内の湧水が多かった。(湧水の)原因はこれから専門家のアドバイスで究明する。(復旧が)1年で終わるかは、今のところ分からない」

復旧が年単位に及ぶ可能性が浮上する中、北薩横断道路を利用する運送業者からは、影響の長期化を懸念する声が出始めています。

大隅半島などの養殖業者に飼料などを運ぶ長島町の運輸会社では…。

(運輸業者)「北薩横断道路がないと不便。(ガソリン代が)高いので影響が出てきて困っている。晴れた日でも道路に水が流れているなというのが気になっていた」

復旧の見通しが立たない中、県は国に要請し、あす30日に専門家による現地調査を行うということです。

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