ふと、人の柔軟剤のニオイが気になることはありませんか? 心地よく香る人もいれば、通ってきた経路までわかるのでは…と思うほど強烈な人も。自分自身も“いい香り”のために多めに入れることもあり、周りに迷惑をかけているのでは…と不安になります。適切な柔軟剤との付き合い方について、メーカーの担当者に話を聞きました。
ニーズの高い“いい香り”の柔軟剤 一方で“香り”で困っている人も
いまや、ドラッグストアにいけば「ブーケの香り」「アロマの香り」などズラリと並んでいる柔軟剤。たまに、この“香り”が強すぎて気になるという方もいるのではないでしょうか。
実際に、全国の消費生活センターには「柔軟仕上げ剤などの香りで頭痛や吐き気がした」などの相談が寄せられていることから、消費者庁などの5省庁が「その香り困っている人もいます」と題した啓発ポスターを作成しています。
これは「香りの感じ方には個人差があり、自分にとって快適な香りでも困っている人もいることを理解してもらう」ことが狙いだということです。
一方で、柔軟剤の香りつき・香りなしの製品があった場合、どちらを利用したいか?という調査(※1)では「香り付きの柔軟剤を利用したい人」は8割を超えていて、香りのニーズが高いことがわかります。
また、「柔軟剤を2倍以上の量で使う人が2割近くいる」という調査もあり、私がたまに遭遇する「柔軟剤のニオイが付きすぎた人」はこれに当てはまると言えるのではないでしょうか。
正しく「柔軟剤」を使えていますか? 4人に1人が、柔軟剤の使い方を間違えている
大手生活用品メーカー・ライオンの調査によると、実は「4人に1人が柔軟剤の使い方を間違えている」といいます。
ライオン・広報担当
「洗剤と柔軟剤をどのように入れるか?」という調査では「柔軟剤を直接洗濯物にかけている」「洗剤自動投入口に洗剤と柔軟剤を一緒に入れる」と答えた人が4人に1人いました。これは間違っていて、必ず柔軟剤は投入口に入れないとダメなんです。
──恥ずかしながら、私も数年前まで柔軟剤投入口があることを知らず、洗濯槽に柔軟剤を直接いれていました。投入口が汚れるので出来れば使いたくないな、と今でも思っているのですが...
洗濯機には「洗剤」と「柔軟剤」が出るタイミングがそれぞれあります。洗剤が出てくるのは最初の「洗い」の時。柔軟剤が出てくるのは「最後のすすぎ」の時です。そもそも「柔軟剤」は、洗濯物を柔らかく仕上げたり、いい匂いに仕上げるほか…
・体臭やタバコ、食べ物の嫌なニオイを消臭・防臭する
・部屋干しなどで起こる菌の増殖を抑える
・静電気を防止する
・洗濯時の絡みを軽減する
・洗濯じわを軽減する
・衣類を早く乾かす
・衣類の着心地をよくする
などの役割があります。
これらの効果がある柔軟剤と洗剤を同じタイミングで入れてしまうと両者が混ざり合い、お互いの効果を打ち消してしまうんです。
なので、柔軟剤は必ず「投入口」に入れてください。投入口がない場合は、最後のすすぎの際に柔軟剤をいれるようにしてください
柔軟剤、多く入れすぎると…?
──「いい香りをつけたい」という理由で柔軟剤を多く入れてしまうのですが、これってやっぱり、おすすめできないんですか?
香りが強くなりすぎる可能性がありますし、香りの強さの感じ方は、おひとりおひとり好みによって異なるので、周囲の方にもご配慮いただきながらお使いください。
──気付かぬうちに、人に迷惑をかけているかもしれないということですね。無闇に量を増やすのはやめようと思います
それに、柔軟剤を2倍いれたところで、2倍柔らかくなるわけでもないんです。
──柔らかさが増してるような気がしていました
そんなことはないんですよ。
無駄に消費してしまうことになるので、適量を守って使うようにしてください。
柔軟剤の使用量は洗濯物の重さ、水量によって変化するので、柔軟剤を投入する際は容器やラベルに表示してある「使用量」を参考にして、柔軟剤投入口にいれてください。
◇
「柔軟剤で他人に不快な思いをさせないため」には「適量を守る」ことが鉄則のようです。そうすることによって、柔軟剤の効果を十分に発揮させることにも繋がってきます。
今後、ニオイが気になる人と遭遇したら、使用量を聞き出し「はかった方が効果的にも、経済的に良いみたいですよ」とさりげなく言ってみようと思います。
※1 「洗濯実態調査2020」日本石鹸洗剤工業会
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