学校も夏休みに入り、海や川などに遊びに行く人が増えます。本格的な夏を迎え、水辺の事故から身を守る方法を取材しました。

夏に集中する遊泳中の事故

宮城海上保安部がまとめた過去5年間、宮城県内の海での遊泳中の事故に遭った人の数です。

【月別・県内での遊泳中の水難事故(2019年~2023年)】
1月~5月  0人
6月      3人
7月      7人
8月   2人
9月      2人
10月~12月 0人

やはり夏に事故が集中しています。今年は仙台で14年ぶりに海水浴場が再開されるなど、遊びに行く人も多いと思われます。どういったことに気をつければ良いのでしょうか。

事故の特徴を専門家に聞いた

海での事故の特徴や対策を専門家に聞きました。水難学会で理事を務める安倍淳さんです。安倍さんは小学校などで安全教室を開いています。

水難学会理事 安倍淳さん:
「事故に合う現場に調査に行くと、水深がいきなり3メートルになるということではなく、特にあごから鼻までの15センチくらいの距離の水深変化でも、溺れてしまう」

では、事故にあった場合の対処については・・・。

呼吸を維持することが大事!では、どうする?

水難学会理事 安倍淳さん:
「呼吸を維持するための努力をしないといけない。その努力とは何かというと、背浮きの状態ラッコのような状態になればいいだけなんです。10分から15分だけ水面にとどまっていれば助かる、そう考えて行動してほしい」

一方で、事故に居合わせた人には、3つのやるべき事があるといいます。

水難学会理事 安倍淳さん:
「『周囲の人に知らせる』『119番通報をする』『浮くものを投げてやる』。
これらが、バイスタンダーと呼ばれる“事故の現場に居合わせた人”がするべき最優先課題になります」

助けに行ってはいけない!なぜ?

事故現場に居合わせた際にやるべき3つのことを整理します。
(1)周囲の人に知らせる
(2)119番通報をする(海での事故の場合は118番)
(3)浮くものを投げる
この浮くものを投げるというのは呼吸を維持されるためにも大切になってきます。

そして、「助けにいくということもしてはならない行為」になります。溺れた人は冷静な行動がとることが難しく、救助者を巻き込む可能性もあります。決して助けるために海や川に飛び込まず、通報したり、浮くものを投げることなどが大切な救助方法になるんですね。

また、宮城海上保安部がまとめた、2019年から2023年の過去5年間の海での事故を、発生場所ごとにみると、14人全てが遊泳禁止の所で事故に遭っています。去年6月には、当時、開設されていなかった深沼海水浴場で、2人が海水浴中に溺れてうち1人が亡くなりました。海水浴をするなら、遊泳が可能な所でということを守らなければなりません。

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