小泉八雲・セツ夫婦の話題で盛り上がる島根県松江市。
先ごろ、「怪談」出版120年を記念したオリジナルスイーツが発表されましたが、そのひとつ、かっぱをモチーフにしたスイーツの開発者、実は若干25歳の
期待の若手職人なんです。

紙で作られた河童の模型。
製作したのは松江市の老舗和菓子店・風流堂の職人、野村奈央さんです。

風流堂 野村奈央さん
Q.どうして模型を作った?
「ボリューム感を目で見える形にするのに、素材がもったいないので、紙で模型を作りました」

この模型をもとに完成したスイーツが、その名も「かっぱふぇ」です。

小泉八雲のひ孫・小泉凡さん
「(小泉八雲は)河童のイラストは描き残さなかったので、雪女は描いたけど」
「それを初めて、形にしてくれたのはすごく嬉しかった」

小泉八雲のひ孫・小泉凡さんにそう称えられた野村さんが「かっぱふぇ」の開発者。

風流堂 野村奈央さん
「やっぱ、かわいくでき…」
「かわいい顔が…に…」
「かわいい顔を作れたらと思って、あの形になりました」
大勢の取材陣も詰めかけたこの日、ちょっと緊張気味の彼女。
それもそのはず、まだ入社3年目の25歳です。

そんな、野村さんに今回、オリジナルスイーツの開発が任されました。

風流堂 内藤葉子 代表取締役
「松江の中の職人コンテストでも、実は入賞したんです」
「初めて出品して入賞したんです」

まだ入社2年目だった今年2月、松江の和菓子職人がその技を競う審査会に出品した野村さん。
独創性とかわいらしさが評価され、見事、入賞を果たしました。

風流堂 野村奈央さん
Q.入社2年目で入賞するのは、そんなにあることではないのでは?
「そうだと思いますけど…」
Q.自信があった?
「全然です」

その感性と技、小さい頃から、松江の和菓子に触れて育ったのかと思いきや‥

風流堂 野村奈央さん
Q.出身は?
「出身は埼玉県です」
Q.大学が島根?
「大学は高知です」

大学では、文化学部で、地域の問題などを研究していたという野村さん。
ものづくりがしたい、という理由で松江の和菓子の世界に飛び込みました。

風流堂 内藤葉子 代表取締役
「作ったことないのに、もの作りがしたいと言っていたので、『相当気持ち強いんだろうな』とすごく興味が沸いた」

風流堂・野村奈央さん
「社長の認識はそうなのかもしれないけど、私としては、ネットの求人であったが、更新日がだいぶ前だったので『まだやってますか』と電話しただけのこと…」

飄々とインタビューにこたえる野村さんですが、菓子作りに向かう姿は職人そのもの。
今は、松江を代表する和菓子朝汐を作ったり、製作工程を間近で見ることができる
実演工房「五風庵」に立ち、その技を披露しています。

風流堂 野村奈央さん
Q.どうして和菓子の世界に?
「日本の文化のひとつであり、見た目も華やかで」
「憧れる気持ちがあった」

風流堂 内藤葉子 代表取締役
「技術を高めることに貪欲になってもらいたいし、本人もいろんなことをやってみたいと言っているので、それはすごく頼もしく思っている」

異国からやってきた小泉八雲によって、日本に伝わる妖怪やお化けの話は美しい日本文学に生まれ変わりました。
県外からきた野村さんの技で伝統の和菓子は、どう進化するのか、期待が高まります。

風流堂 野村奈央さん
「今は全然、作れるものがないので、いろいろ作れるようになって」
「きれいなお菓子が作れるようになりたい」

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