大阪府内の小・中・高校生らは大阪・関西万博へ無料で招待される予定で、来年の校外学習の行き先になるかもしれません。普段の校外学習で先生たちは何に気を付けて準備しているのか、万博に生徒を連れていくことにどんな不安を感じているのか…。学校現場の声を取材しました。
中学2年生の校外学習に密着
6月13日、大阪市立市岡東中学校で2年生の校外学習が行われました。松井翔介教諭(30)。2年学年主任として校外学習を取り仕切ります。行き先は奈良。一日乗車券を駆使して午後3時半までに学校に戻るのがルールです。体育館に集まった生徒らの後ろで、先生は最後の打ち合わせを進めていました。
(教員)「15人欠席なので約100人です」
(松井教諭)「15人も欠席しています?」
(教員)「欠席者は今LINE送りました」
午前8時半すぎ、校外学習が始まりました。
生徒たちは7、8人の班に分かれて東大寺や春日大社、唐招提寺などを自由に回ります。昼食は登大路園地で食べて、途中、商店街で食べ歩きもします。松井教諭を含めた8人の先生が東大寺や近鉄奈良駅などに分かれて生徒の動きをチェックして、LINEで逐一情報を共有します。
「吐きそうな生徒が」「一日乗車券を無くした」
約1時間かけて奈良に到着した生徒たち。しかし、さっそくアクシデントが起きました。
(松井教諭)「さっき吐きそうな生徒がいてて、その子が駅の中でトイレに行っているらしい」
生徒の様子が気になる中、またしてもアクシデントが。
(教員)「カード(一日乗車券)無くしたって」
(松井教諭)「え?もうええって…」
(教員)「バス停かな、山本先生がバス停に行ってくれてはる」
どうするべきか考えていた矢先…。
(教員)「(一日乗車券)あったって!」
(松井教諭)「もうええって!」
校外学習は下見が重要「子どもらを連れて行く責任がある」
対応を終えた松井教諭は登大路園地に先回りして生徒がやってくるのを待ちます。松井教諭はこの場所を一度、下見したといいます。
(松井教諭)「人に迷惑がかからないのが大前提で、あとはちょっとでも屋根、雨を防げるところとか、トイレも普通にあるので大丈夫ですし」
ただ、下見したとしても予測できないことがあるといいます。
(松井教諭)「人の多さを読めないというのが一番心配やったので。ゴールデンウィークの時に下見に来て、これくらいやったら平日の昼間は余裕かなと思っていたんですけど、どこがいつ校外学習するかわからないので。今見て多いなと思いました」
午前11時、早めに昼食を取る班が続々と松井教諭のもとにやってきました。生徒たちが自由に動く校外学習は「翌年の修学旅行を見据えている」と松井教諭は話します。
(松井教諭)「知らない土地に行って自分たちの初めて見るところでも、ちゃんとルールとか日頃の学校生活の行いをそのまま発揮できるようにというのを目標にやらしてもらっているので」
授業だけでは身につかない学びを生徒たちに最大限、得てもらいたい。だからこそ下見が重要なのだと話します。
(松井教諭)「(Q校外学習では下見は絶対必要?)そうですね。ゼロで行くことは絶対に無いと思うので。必ず子どもらを連れて行く責任はあるので、生徒の安全を確認するためにも下見は必ずします」
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