藤井聡太八冠(21)と伊藤匠七段(21)の同学年対決となった、将棋の「叡王戦五番勝負」。

「藤井八冠一強時代」と言われる中、今回は五分に持ち込んだ挑戦者の伊藤七段。

そのルーツを取材することに…

(大石邦彦アンカーマン)
「東京・世田谷区の三軒茶屋にやってまいりました。こちらに伊藤七段が子どもの頃に通っていた将棋教室があるんです」

出迎えてくれたのは伊藤匠七段の師匠、宮田利男八段(71)。

(大石アンカーマン)
「伊藤七段が通っていたのは何歳から何歳まで?」
(宮田利男八段)
「5歳から。今もたまに仲間内で指すときはある」
(大石アンカーマン)
「子どもの頃の伊藤七段の写真はありますか?」
(宮田八段)
「いくらでもあります」

教室の壁には、小学生の頃の伊藤少年の写真が。

(宮田八段)
「(頬が)ぷっくらして、かわいい。今とは、だいぶ違う」
(大石アンカーマン)
「面影はありますよ」
(宮田八段)
「かわいらしい子どもだったのが、今ではこうなっちゃった」
(大石アンカーマン)
「誰が伊藤七段を強くしたんでしょうね。師匠じゃないんですか?」
(宮田八段)
「わかんない。本人の才能じゃないかな」

その才能の一つが「集中力」だと言います。

(宮田八段)
「普通の小学1年生や幼稚園の子どもたちはワイワイしているが、そういうのがなかった。よほど将棋が好きだったのかな。強くなりたい(姿勢)、そういうところがあった」

さらに師匠は…

(大石アンカーマン)
「キラリと光るものはありました?」
(宮田八段)
「出来が違い過ぎるところはあった。1年生くらいの時、よくここに来ていたのが私の師匠の奥さん。80代後半くらい。『伊藤君(将棋)やろう』と言うが伊藤七段の方が強い。普通は『イヤだ』だというところを『はい』と言っていた」
(大石アンカーマン)
「大人ですね。勝ったりするんですか?」
(宮田八段)
「ちゃんと勝ちます」
(大石アンカーマン)
「そこは接待将棋はしない?」
(宮田八段)
「しない、しない」

さらに見せていただいた、この白黒写真は19歳の頃の宮田八段です。

(大石アンカーマン)
「師匠、19歳には見えないですよ。どこかの会社の部長クラス。そのくらいの風格がある。伊藤七段も師匠譲りの『年齢とは違う風格』がありますよね」
(宮田八段)
「ねぇ…21歳とは思えない」

あどけなかった伊藤少年も、今や日本中が注目するトップ棋士。

師匠が「常々伝えていること」をうかがったところ…

(宮田八段)
「酒もギャンブルも絶対ダメ」
(大石アンカーマン)
「それは、なぜなんですか?」
(宮田八段)
「私が、それでダメになっちゃったから」
(大石アンカーマン)
「あれ、師匠は酒は相当行かれる口ですか?」
(宮田八段)
「何軒か(お店に)行って一通り飲む」
(大石アンカーマン)
「何軒って、ここ三軒茶屋ですけど」
(宮田八段)
「駄洒落じゃないけど、三軒茶屋で三軒は行きます」

底抜けに明るい師匠です!

お酒とギャンブルについては、さらに…

(宮田八段)
「伊藤七段の激励会のあいさつで『酒とギャンブルで3日も家に帰らないような将棋指しになるな』と言った。そうしたら隣にいた妻がマイクをひったくって『3日じゃありません、1週間です』と言った。反省しています」
(大石アンカーマン)
「申し訳ないんですけど、師匠を反面教師にしている?」
(宮田八段)
「それでいい。それで結構。それで頑張ってくれ」

いよいよ伊藤匠七段が初めてのタイトルを獲得するか?

絶対王者の藤井八冠が防衛するのか?

運命の叡王戦五番勝負の第5局は、6月20日午前9時からです。

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