岐阜市の陸上自衛隊の射撃場で、当時18歳で自衛官候補生だった男が自動小銃を発砲し、隊員3人が死傷した事件からきょう(6月14日)で1年です。
亡くなった隊員が所属していた名古屋の駐屯地では、追悼式が行われました。
事件が起きたのはちょうど1年前、去年の6月14日でした。
(記者 2023年 6月)
「岐阜市の現場です。事件はあちらの建物内で発生したとみられ、現在自衛隊の警務隊の車両が慌ただしく出入りしています」
岐阜市にある陸上自衛隊日野基本射撃場で、当時自衛官候補生だった男が訓練中に隊員に向けて自動小銃を発砲。菊松安親さん(当時52歳)と八代航佑さん(当時25歳)が死亡し、別の男性隊員が大けがをしました。
検察はことし2月、当時18歳だった渡邉直杜(わたなべ なおと)被告を強盗殺人などの罪で起訴。渡邉被告は人を銃撃する目的で弾薬を奪おうとして自動小銃を発砲し、2人を殺害、1人に大けがをさせた罪に問われています。
事件が起きた射撃場では14日朝、訓練の中止を訴える市民団体が集まり、事件が発生した午前9時10分に黙とうを捧げました。
(市民団体)
「射撃場がなければ尊い命が失われなかったということで、亡くなった方々のご冥福を祈りに来た」
また、亡くなった八代さんと、かつて同僚だったという元自衛隊員の男性の姿も。
(八代さんの元同僚)
「事件が起こる2~3か月前に(八代さんと)同じ部屋になった。2人とも優しい方だった。こういうことが二度と起きないでほしい」
「息子との面会もかなわず…」渡邉被告の父親がコメント
そして菊松さんと八代さんが勤務していた、名古屋の陸上自衛隊守山駐屯地では午後3時から追悼式が行われ、遺族と10師団の関係者およそ60人が参列。音楽隊の演奏とともに黙祷や献花などを行い、犠牲者を悼みました。
第十師団の酒井秀典団長は「武器の使用を許可されている組織として、絶対にあってはならないことであり、この事案を深く受け止め、自衛官としてあるべき姿について更なる徹底を図る」とコメントしています。
一方、渡邉被告の父親は6月7日、支援団体を通じて「事件から1年になりますが、息子との面会もかなわず、進展がないままです。現在はただ、亡くなられた方々のご冥福をお祈りすることしかできません」とコメントを出しました。
犯行の動機が明らかにされないまま過ぎた1年…事件の全容解明が待たれます。
※CBCテレビでは「特定少年」とされる18歳以上の少年事件について、「実名」で報じるかどうか、事件ごとに判断しています。今回の事件では3人が死傷したという結果の重大性や、社会的影響の大きさなどを総合的に判断した結果、被告を実名で報じています。
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