世界遺産への登録を目指している『佐渡島の金山』について、6日夜に新たな動きがありました。7月にインド・ニューデリーで開催予定の第46回世界遺産委員会を前に、ユネスコの諮問機関である「イコモス」からの評価結果が通知されました。
その内容は、追加情報を求める「情報照会」。
このニュースに各所からは戸惑いの声も上がっています。

【文化庁 文化遺産国際協力室 大川晃平室長】
「世界遺産登録を考慮するに値する価値があることは認められたところでございます。その上で価値をより明確にすることや、保護措置をより強化するための指摘等がなされ『情報照会』と…」

20年以上に渡り地元住民の悲願となっている「世界文化遺産への登録」。
今回出されたイコモスからの勧告は、「登録」ではなく4段階の上から2番目にあたる「情報照会」。追加の情報の提出を求める内容でした。
推薦資産の範囲の修正や保護措置の強化などの“注文”が付いたのです。

【盛山正仁文部科学大臣】
「がっかりではないですよね。ただ、『めでたさも、中くらいなりけり』というところかもしれません。インドでの委員会までにどうこなしていくのか」

やはり落胆の色は隠せない地元の声

【佐渡を世界遺産にする会 中野洸会長】
「期待していたんですけど、きのうの発表を聞いて残念だという気持ちですね」

【ゴールデン佐渡 鈴木徹社長】
「今後、世界遺産委員会において審議がなされ、結論が出されるということですので、その審議結果を待ちたいと思います」

【地元の人】
「期待していた以上にがっくりきているから。今年こそは、って意味では」
「登録されることを祈ります。佐渡は変わる。変わってもらわなければ困るしね」

期待していた観光業界でも落胆の色を隠せませんでしたが…

【サンフロンティア佐渡 北見宗央常務】
「ぜひ7月の登録、最後の最後まで期待したい。そのためには我々でできることがあったら頑張りたい」

【佐渡を世界遺産にする会 中野洸会長】
「これからやっぱり我々ではなくて、日本の政府としてどのように対応するかということだと思っています」

新潟市の万代地区に掲げられていた懸垂幕では、「イコモス登録勧告」という文字を用意していましたが、急遽「情報照会」の文言に変わりました。

13年間活動を進めてきた市民団体は、7月の世界遺産委員会に向けて機運を高めたいとしています。

イコモスの勧告から一夜明けた7日、新潟県の花角英世知事は、「世界遺産としての価値は認められた」とした上で「最終的には世界遺産委員会での議決ですので、その過程でしっかり委員国の理解が得られるように取り組んでいきたい」と話し、
佐渡市の渡辺竜五市長は、「国や新潟県と協議した内容を、ベストを尽くして、できるだけ短い期間で取り組んでいく」と改めて力強く話していました。

文化庁によりますと、2023年の世界遺産委員会ではイコモスの勧告で「情報照会」となっていた6件全てが「登録」となったということで政府は、7月にインドで開かれる世界遺産委員会での登録を目指すとしています。

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