東京から新潟県十日町市に移住した女性をご紹介します。
農業を営む佐藤可奈子さんは移住して13年。今はサツマイモの生産から加工、販売を手がけています。自慢の干し芋を使った新たな商品も誕生し、雪国でも1年を通して安定した収入を得るための挑戦が続いてます。

十日町市の畑で5月16日に行われたサツマイモの苗植え。
サツマイモを栽培している1人、佐藤可奈子さん(37歳)です。

佐藤可奈子さん
「1人で農業していたときから比べると全く違います」

可奈子さんが本格的にサツマイモ栽培を始めたのは3年前。
3人の母親でもある可奈子さんが「子ども達に安心で安全な食べ物を」と始めたのが「干しイモ」作りです。

同じ志を持つ仲間とともに会社を立ち上げ、農薬を使わずに栽培したサツマイモを添加物を使わず、そのままの甘さを生かした「干しイモ」に加工しています。

会社を立ち上げた当初から可奈子さんたちには、もう一つ夢がありました。

「干しイモ」の加工場を十日町市内に整備し、冬の間、仕事がなかった農家が働ける場をつくることでした。

「一番おいしいです。ここのサツマイモが」
「十日町の名物として広がったらうれしい」

可奈子さんたちが手がける「干しイモ」はオンラインショップのほか、県内の大手スーパーや新潟市のデパートで取り扱われるなど、販路も拡大しつつあります。

サツマイモの生産も当初8トンほどでしたが、昨シーズンは18トン、そして今シーズンは30トンを目指しています。

干しイモはサツマイモを蒸した後皮を取り除き、スライスし、乾燥させて作ります。可奈子さんたちは干しイモの製造過程で出るサツマイモの皮を有効活用するため菓子づくりも手がけています。
ただ、サツマイモの栽培量を増やしたことで新たな課題も出てきました。

佐藤可奈子さん
「干しイモを製造する中で、スライスにも丸干しにもできない小さいイモができてしまって、これをどうやって良さを引き出そうかなって」

お菓子の考案や製造販売を担当しているのは、会社の共同代表を務めている福嶋恭子さんです。

「こちらが新しく開発した干し芋アイスです」

2年半かけて開発したのが、この「干しイモ」アイスです。
使い道に困った小さなサツマイモを使い、皮ごと干したイモをそのまま冷凍しました。無農薬だからこそできた商品です。

福嶋恭子さん
「ずっと『もったいない』をやってきたので、好きです。なんとかこんな小さい、いらないような、流通しないようなイモを助けてあげることで、生産者が『B品がすごく残ってどうしよう』って思わなくてもいいように、なんとかしたいなって考えています」

こうした取り組みを広く知ってもらおうと、夏の本格的な販売を前にクラウドファンディングで支援を募っています。
干しイモを使った新たな商品を展開することで、今後期待できることも増えました。

佐藤可奈子さん
「働いてくださる女性の農家さんだったり、農村で暮らす女性が増えている中で、冬の農家さんの仕事場にとどまらず、年間働きたいっていう農家さんがすごく多くなった。彼女たちの期待にどうこたえるかって考えたときに、冬しか加工しない“干しイモ”から年間販売できるものを何か作っていこうっていうふうになって…

そして干しイモや新商品がこの秋、フランス・パリで開催される『新潟フェア』に出展されることになりました。ここで評価されれば、パリでの販路が開けます。

仲間とともに「十日町発!日本一のイモチーム」を合言葉に走り続けてきた可奈子さん。次なる挑戦は「十日町発!世界へ」です。

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