7月に開幕が迫る、パリ五輪です。日本のお家芸とも言える競泳・平泳ぎで活躍が期待されるのが、香川県坂出市出身の花車優選手。目標のメダル獲得に向けて、最終調整に励んでいます。
世界の頂点を目指すには ひと掻き・ひと蹴りという水中動作がカギ
(花車優選手)
「オリンピックはメダルを獲って帰ってきたいと思っているので、そこに向けて頑張ります」
坂出市出身でイトマン東進に所属する200メートル平泳ぎ日本代表、花車優選手です。今年3月の代表選考会で自己ベストとなる2分7秒07で2位に入り、パリへの切符を掴みました。
(花車選手)
「小さいころに見ていた五輪の印象だと、憧れでしかなかったので、自分もこのような舞台で戦いたいなとか、金メダルが獲れたら嬉しいだろうなとか、そういった想像はずっとしていました」
本番まで約2か月。東京都郊外の多摩市で最終調整をしています。手足を交互に動かす平泳ぎは他の種目より水の抵抗を受けやすく、体格以上にテクニックや器用さが求められます。世界の頂点を目指すには、水中での動作をいかに素早く行えるかがカギになるといいます。
(花車選手)
「水中動作ですね、スタートとかターンとか。ひとかきひと蹴りという水中動作の部分が、少し周りの選手と比べると劣った部分かなと思うので、磨いている段階です。ターンだけでも200メートルは3回あるので、そこで離されてしまうと、自分の気持ちも追いつかなければとか、焦りとかが出てくるので、そういった部分は大事かなと」
弱点を克服する指導者との出会い…代表選考会までわずか半年で所属変更を決断
おととし初めて出場した世界選手権で銀メダル。期待のホープは、決して順風満帆ではありませんでした。
(花車選手)
「ちょくちょく不調に陥ったりとか、タイムが伸びない時期もありましたが、昨年や大学生の頃もですが、その頃に自分の泳ぎを考える時期があったり、体の弱い部分を考える時間があったりとか、そのような時期があって今があると思っています」
伸び悩んでいた昨年に出会ったのが、堀之内コーチです。弱点を克服する的確な指導に惹かれた花車選手は、代表選考会までわずか半年にもかかわらず所属をイトマンに変更します。復活までに、時間はかかりませんでした。
(堀之内コーチ)
「良い時も悪い時も自分の状態が分かっていないと何をした方が良いかという選択ができない。選択するうえで色々なパターンを理解していて、その時に合った選択をすることができる能力がトップで居続けるには必要だと思っているので、そこは十分に持っている選手だと思います。あとは1本の爆発力。選考会で見せた前半から攻める泳ぎが最後まで継続できる力がどこまで備えつけられるかです」
小学生時代の印象は…「水を抑える感覚が人より鋭い 頭一つ抜けている」
花車選手が通っていた坂出市のスイミングスクール。ここにも、心の支えとなっている人がいます。高校時代までを指導した恩師、塩崎コーチです。
(塩崎コーチ)
「小学5年生の5月からスイミングスクールに来ました。最初は体が細くて鳥みたいな動きが早くて軽い。下半身がよく浮くなというのと、水を抑える感覚が人より鋭いなと、頭一つ抜けているところはありました」
塩崎コーチのもと、高校生で世界ジュニア水泳選手権に出場するなど、頭角を現していた花車選手です。いまでも、不安を抱えている時や大事なレースの前には連絡があるといいます。
(塩崎コーチ)
「弟と息子の中間みたいな感じで、いまでも連絡が来るので、何かしらの話でずっと繋がってます、大学生の時に泳ぎが分からなくなったと、高校の頃までどのように泳いでいたかと聞かれたことがあって、聞かれたときはこんな感じとか、昔とどこが違いますか聞かれたら、昔はこうだったよと言ったりはしてます」
幼いころから互いをよく知る恩師の存在こそが、花車選手の原動力です。
(花車選手)
「いざという時に心の支えになるコーチですし、自分の泳ぎや性格という部分をいちばん知っている指導者なのかなと」
そんな塩崎コーチの指導を受ける後輩たちにとって、花車選手は憧れであり、目標です。
(坂出SSの選手)
「4年後のロサンゼルスオリンピックでは、優くんと一緒にリレーで泳ぎたいです」「勝ってほしいですし、メダルを目標に頑張ってほしい、日本人として1位であってほしい」
(花車選手)
「香川県の皆さんに応援されているということが、いちばんの力になっているので、そういった人たちに良い泳ぎを見せられたら良いなと思いますし、2分6秒台の日本記録を視野に入れて、メダルを持って帰りたいと思います」
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