国の重要文化財・旧弘前偕行社を青森県弘前市が保存を進めることになりました。土地を現在の所有者から買い取る方針を固め、4億1400万円あまりの予算を6月補正予算案に計上しました。

旧弘前偕行社は、旧陸軍第八師団の将校らの福利厚生や社交の場として1907年に建てられました。

木造平屋建ての洋風の建物は、ルネサンス風を基調とした洗練されたデザインで、国の重要文化財に指定されています。

現在の所有者である学校法人弘前厚生学院は2025年3月で閉校し、解散することを決めていて、弘前市に対して2023年9月に建物は無償で、土地は有償での譲渡を要望していました。

これを受けて検討を進めた弘前市は31日、6月補正予算案で建物が建つ土地と、それに付随する庭園などを取得するための予算として、4億1400万円あまりを盛り込むことを発表しました。

弘前厚生学院 鳴海春輝学院長
「非常にうれしく思っています。(偕行社としての)初期の形・環境がセットで残っているのはここしかない、そういう特長を、そのまま市民にも活用してほしい」

旧弘前偕行社の土地は、予算案が市議会で可決されたあと、6月中に仮契約する見込みで、市によって保存と活用が進められることになります。

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