じめじめする季節に活躍するエアコンの除湿機能。

「ドライ」に設定したまま夜寝ると寒すぎる、と感じたことはないでしょうか。

時期によっては、朝起きると20度を下回っていたり、いまいち除湿されず寝苦しく感じることも…。

実は、エアコンの除湿には2種類あるんです。

1つは弱冷房除湿。通常の冷房は、室温が目標“温度”まで下がるまで冷房を続けますが、この弱冷房除湿は、その名のとおり目標“湿度”になるまで「微弱な冷房運転」を続けます。つまり、弱い冷房運転になるので、電気代は比較的安くなります。

もう1つは再熱除湿。エアコン内部で一気に空気を冷やして除湿したうえで、温度が下がり過ぎた空気を温めて室内に戻します。仕組みとして、室温をあまり下げずにしっかり除湿できますが、空気を温め直すため、電気代は弱冷房除湿に比べて高くなります。

多くのエアコンに搭載されているのは「弱冷房除湿」ですが、中~高価格帯の機種の一部には「再熱除湿」が搭載されています。

梅雨時期の「除湿」の設定で寒いと感じるのはなぜ?

6月頃の梅雨時期には、低温多湿となるので「除湿(=弱冷除湿)」だと、外気温が低いこともあって、除湿しきれずに冷房運転を続け「寒い」と感じることがあります。このとき、「除湿(=再熱除湿)」を搭載したエアコンであれば、再度空気を温めなおすため、機能的には肌寒さを感じにくくなります。

一方、7~8月の高温多湿の時期には、再熱除湿でなく通常の「除湿(=弱冷除湿)」でも空気が冷えすぎる前に、室内の空気を十分に除湿できるため、室温が下がりすぎて「寒い」と感じることが少なくなります。

低温多湿な梅雨の時期、エアコンが肌寒いと感じて苦手な方や、小さい子どもがいる場合は、この再熱除湿を活用すれば「肌寒さ」を感じにくくなるかもしれません。

でも、電気代高いんでしょ…?

止まらない物価上昇に高騰する電気代。

6月からは岸田政権肝いりの定額減税も始まるものの、「物価高騰対策」による電気・ガス料金の負担軽減措置は、この6月からおよそ半額になることに加え、再エネ賦課金も値上げ…。

快適そうな再熱除湿機能ですが、電気代が高いのでは玉に傷。できれば電気代は安く済ませたいですよね?

最近では、再熱除湿運転の際に室外機の排熱を利用したり、熱交換器の温度を調整するなどして、再熱除湿でも電気代を抑える工夫がされています。

そもそも、例えばですが、外気温が0度の冬に室温を20度に近づけるのと、30度の夏に室温を26度に近づけるのでは、明らかに冬の方が外気温との差が大きく、結果、暖房の方がよりエネルギーを消費するため、電気代も高くなる傾向にあります。

ですので、「再熱除湿」だからといって極端に電気代が高くなるわけではなく、使い方にもよりますが、「冷房」よりは高いけど「暖房」よりは安い、というイメージになります。

高温多湿な時期は通常の「冷房」、低温多湿な梅雨時期は「再熱除湿」を利用するなどして、効果的にエアコンを使ってみてください。

エアコンに頼りすぎない、原始的だけど効果的な方法は?

便利で快適なエアコンですが、機能に頼り過ぎない、もっと簡単かつ効果的な方法をご紹介します。

それは、直射日光や照り返しの「遮蔽(しゃへい)」です。

これからの時期、直射日光に限らず、コンクリートやアスファルトからの照り返しも強烈になります。

窓の外側で日光を遮蔽をしないと、どうしても外からの熱がそのまま室内に入ってしまうので、可能であれば、窓の外側にすだれやシェードをかけ、直射日光や照り返しを“室外”で防ぐのが効果的です。

どうしても室外に設置が難しい場合は、遮光カーテンやブラインドを活用してみてください。

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