岡谷市の中学校で30日、理科の実験中に、生徒4人が体調不良を訴え、病院に運ばれました。
いずれも軽症で命に別条はないということです。
原因は実験で発生した「硫化水素」と見られています。


午前9時40分ごろ、岡谷市湊(みなと)の岡谷南部中学校から、「理科の実験中に、硫化水素を吸って具合が悪くなった生徒がいる」と消防に通報がありました。

症状を訴えたのは、2年生の男子生徒1人と女子生徒3人の合わせて4人で、諏訪市内の病院に運ばれました。

せき込んだり、喉に違和感があったりといった症状が見られましたが、診断の結果、いずれも軽症で、1人は保護者とともに帰宅し、3人は午後の授業から復帰したということです。

岡谷市教育員会 両角秀孝教育担当参事:
「本日の事故によって体調を悪くした生徒の皆さん、保護者の皆さんには大変ご迷惑をおかけいたしました。心よりお詫びを申し上げます」

岡谷市教育委員会によりますと、2年生のクラスでは、4人一組になって、鉄と硫黄を熱してできた硫化鉄を、プラスチック容器の塩酸に入れて硫化水素を発生させる実験を行っていたということです。

この際、1つのグループが、誤って、逆に塩酸を、皿の上の硫化鉄にかけてしまったため、想定以上のガスが発生し、吸い込んでしまったとしています。

4人は同じグループで実験を行っていたということです。

同様の実験は、教科書にも載っているような一般的なものですが、この中学校では、2017年にも実験中に生徒12人が体調不良を訴え、病院に運ばれる事故が起きていました。

前回の事故を受け、学校では実験の際、すべての窓を開けるほか、硫化水素を希釈するため、水を浸した脱脂綿を使うなど、事故を防止する対策をとっていたということです。

岡谷南部中学校 守屋守校長:
「この事故はやはり、あってはならないことで、理科の教科会とも確認をしてきた。が、万全を期しているつもりでありましたが、あくまでもこのような事故が起こってしまったということで、もう一度職員で徹底してスキがなかったか確認して検証していきたい」

学校では、31日の夕方、保護者向けの説明会を開くということです。

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