北海道新幹線の札幌延伸・延期について、国と鉄道・運輸機構は29日、地元関係者に説明を行いました。
ただ、出席者からは厳しい声が相次ぎました。
札幌市で開かれた説明会に出席した鉄道・運輸機構の藤田耕三理事長。
謝罪の言葉から始まりました。
藤田耕三理事長
「北海道新幹線の早期開業を待望しておられる多くの皆さまをはじめ、関係の皆さまにこのような形でご心配をおかけすることになり、大変申し訳なく思っております」
2030年度末の開業を目指してきた北海道新幹線の札幌延伸。
しかし、複数のトンネル工事が難航していることなどから、「数年単位」で遅れることが明らかになっています。
藤田理事長は、「重機を2台使って2方向に工事を進める」などの工期短縮策を説明して延期への理解を求めましたが、結局、新たな開業時期の見通しは示されませんでした。
出席した沿線自治体からは…。
八雲町 岩村克詔町長
「なんだ日本の土木技術も大したことないなと。遅れるというのは本当に残念だし、がっかりしている」
北斗市 池田達雄市長
「北海道経済の発展に大きな悪影響を与えるとともに、北海道民の期待を裏切ることであり非常に遺憾であります」
札幌市 秋元克広市長
「難しい工事であるということの理解はするものの、現時点において、それでは次の見通しはどうなんだと、今後の見通しはどうなんだというのが示されないまま、遅れということだけが外にでて、報道されてきていることに非常に困惑している」
不満が噴き出した29日の説明会。
鉄道・運輸機構は今後、工事の進捗状況などを速やかに地元関係者に報告するとしています。
一方、鈴木知事は会議後に国と鉄道・運輸機構に対して、情報共有の強化や新たな開業時期をできる限り早く示すように求める要望書を提出しました。
鉄道・運輸機構は工事が遅れている3つのトンネルの掘削率を明らかにしました。
「渡島トンネル」で74%、巨大な岩の塊が出てきたため、およそ4年の遅れが出ている「羊蹄トンネル」は62%、「札樽トンネル」で28%となっています。
工期の短縮などを進めていますが、鉄道・運輸機構は現時点で具体的な開業時期を示すことは技術的に困難としています。
鉄道・運輸機構は、開業の時期について何らかの見通しを得た場合は速やかに関係者に報告するということですが、そもそもそれがいつになるのか、関係者は気を揉む時間が続きそうです。
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