県立高校の男子生徒が2014年に自殺した問題で、遺族が「いじめが原因だった」などとして、鹿児島県に損害賠償を求めている裁判について、県が和解する方針であることが分かりました。

この裁判は2014年、当時高校1年だった県立高校の男子生徒が「いじめを苦に自殺した」として、遺族が県におよそ4500万円の損害賠償を求めているものです。

県によりますと、今年3月、鹿児島地裁が県と遺族に和解を勧告したということです。

和解案では、県は、重大な事態を防げなかったことを遺族に謝罪すること。いじめの可能性がある事態に直面した際は、生徒への丁寧な聞き取りや学校で情報共有することについて、教職員の研修を継続することなどとしています。
また、遺族側は損害賠償の請求を放棄することが盛り込まれています。

県は今月27日、県議会に和解に向けた議案を提出しました。理由について、「和解勧告の内容は県の主張をほぼ認めている」などとしています。

この問題をめぐっては、遺族の要請を受けて設置された県のいじめ再調査委員会が2019年、「いじめが自殺に大きな影響を与えた」とする報告書をまとめていました。

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