病気や障害などで医療的なサポートが必要で、災害時などに自力での避難が難しい「医療的ケア児」と、その家族を対象にした避難訓練が青森県弘前市で行なわれ、参加した保護者や関係者が手順を確認しました。

訓練は、人工呼吸器などを使っている弘前市の飯尾凰平くん(3)と2人の兄弟、それに母親の寛子さんが、市内の社会福祉法人などの協力を得て行なわれました。

医療的ケア児は日常的に医療的なサポートが必要で、災害時に避難する場合、安否確認のほか、人口呼吸器や痰をとるための吸引機などが壊れていないかなど確認する事項が多くあります。

飯尾寛子さん
「(電話連絡の様子)飯尾凰平ですけど、いまから自宅を出発します」

避難所までは600mほどですが、重い機械を運ぶのに加えて兄弟たちの面倒も見ながらのため、30分以上かけて到着。そのあと機器の動作を確認して避難は終了。

今回の訓練で様々な課題が見つかりました。

弘前市では、障がい者福祉サービス事業所が主体となり医療的ケア児の個別避難計画の作成に取り組んでいます。

県内では、医療的ケア児が2023年9月の時点で164人いて、計画に基づいた避難訓練は凰平くんが県内で初めてです。

飯尾寛子さん
「途中で吸引が必要な場合や、3人のうち体調が悪い子が1人出た場合、私が荷物を持って顔色や体調を見てっていうのがすごく大変だった。きょう元気でもけっこう大変だったので、そういう面で移動もけっこう大変でした。」

参加した飯尾さんと関係機関では、5月26日に話し合いの場を設けて、避難する際の課題や解決策を検討したいとしています。

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