沖縄県では1か月後の6月16日に県議会議員選挙が予定されている。玉城デニー県政の中間評価とも位置づけられ、今後の県政運営に大きく影響する。
沖縄県議会議員選挙は投開票日まで残り1か月。県内には13の選挙区があり、議員定数は48だが、今月開催された立候補予定者説明会に出席したのは72陣営。熱戦が予想されている。
4年に1度行われる県議選。今回の沖縄県議選は、玉城デニー知事が2022年9月に2期目に当選してから約1年9か月後、ほぼ折り返し地点といえる時期に実施されるため、知事の県政運営に対する 「中間評価」 とも位置付けられる。政治学に詳しい関西学院大学 久保慶明教授は次のように解説する。
▽関西学院大学 久保慶明教授
「議会は知事が提出してきた予算案、あるいは条例案や人事案を審議する役割を担っています。それゆえに、知事の仕事ぶりを監視・牽制する役割が議会には強く求められる」
県知事の主な仕事のひとつが、予算案や人事案などの作成・提出。インフラ整備や貧困対策事業などにあてる予算の配分などだが、これらについて知事が示す案に賛否を議決する、「GOサイン」を出すのが県議会議員だ。
また県議会議員には、知事の仕事ぶりをチェックする機能もある。
▽島袋大県議(自民党)
「会派に説明して終わらせようということが、隠ぺい体質なんですよ」
去年10月、県が不適切な会計処理などをしていた不祥事に対して、県政野党・自民党や中立の公明党などは、知事の政治責任を問う、問責決議案を提出した。
▽玉城知事(県議会2023年10月)
「議会の混乱を招いたことにつきましては、お詫び申し上げます。一連の状況を深刻に受け止め、今後その対応に全力で当たって参ります」
このときは、知事を支える与党議員の反対多数で否決されたが、県議会において今後、野党・中立議員が多数を占めるようになれば形勢は変わっていくことが予想される。
▽関西学院大学 久保慶明教授
「玉城県政の仕事ぶりに対して、今回の候補者の中には、評価する人もいれば、批判する人もいるし、中立的な人たちもいる。そうした候補者の中から有権者が誰を議員として選ぶのかが、間接的に玉城県政を評価することにつながってくる」
現在2期目の玉城知事は「地域外交室」を設置したほか、去年は経済団体などとともに中国を訪問。アジア・太平洋地域の平和構築・相互発展を目指す県政運営方針を掲げる。また中学卒業までの医療費無償化などに取り組んだ(1期目)。
また基地問題では、米軍普天間基地の辺野古移設をめぐり、反対の立場を貫いている。
▽玉城知事(2023年10月 「代執行訴訟」出廷前の演説)
「(国は沖縄県の)権限を取り上げて、我々の未来を埋め立てようとしている。皆さんと同じ思いで、しっかり主張してまいりたいと思います」
知事を支える候補者か、対峙する候補者か、はたまた中立か。
玉城知事の県政運営を振り返り、そのチェック役としてどんな候補者を送り込むのか。県議選は、私たちが選択する機会でもあるのです。
▽玉城知事(14日)
ー県議選は知事の中間評価ともいわれるが自身に点数をつけるとしたら何点か?
「いや、それは県民の皆さんが判断することですので、私が自分で言うのは少しおこがましいと思います。私なりに努力はしていると思う」
▽関西学院大学 久保慶明教授
「議員候補者は色んな特徴を持っています。性別とか年齢とか、あるいは出身地とかも重要な要素になってきますね。自分との接点を見つけて、この人なら1票託せる、という人を見つけてもらえたらと思う」
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