リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が進む岐阜県瑞浪市で、家庭用の井戸などの水位が下がったことを受け、JR東海は5月16日、工事を一時中断し、ボーリング調査を行う考えを示しました。

リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が行われている瑞浪市大湫町(おおくてちょう)では、周辺の井戸やため池などあわせて14か所で水位が下がっているのが見つかっています。

JR東海は影響が出た井戸のある家庭について、上水道に切り替える応急処置を行うとともに、数日以内に代わりとなる水源として新たな井戸を掘り始めるとしています。

JR東海の丹羽俊介社長は5月16日の会見で、工事との因果関係について、周辺で地下水に影響する工事がほかに行われていないことから「この工事が影響している可能性が高い」とした上で、盆地の手前までトンネルを約200メートル掘り進めた上で一時中断し、地質の状況を詳しく調べるボーリング調査を行うと明らかにしました。

今回の工事を巡っては、ことし2月中旬にトンネルの先端から100メートルほど手前で湧水が確認されていて、いまも毎秒20リットルほどが出続けているということです。

JR東海は湧水の量について「多いわけではない」としていますが、「できるだけ早く湧水を減少させる薬液を注入する対策を行う」としています。

ボーリング調査を始める時期や期間については未定としていますが、丹羽社長は「今回のことで開業時期に影響が出るものではないと考えている」と話しています。

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