2023年1年間の「落とし物」が、過去最多となったことが分かりました。落とし物が増えつづける中で、見つけるサービスも進化しています。

「落とし物」が過去最多 小型化・キャッシュレス化が原因か

良原安美キャスター:
2023年1年間に全国の警察に届けられた落とし物の数は2978万7068点と、前年に比べ約315万点増え、過去最多となりました。

最近増えている落とし物としては、▼ワイヤレスイヤホン、▼携帯用扇風機、▼エコバッグなどがあるようです。

警察庁によりますと、小型の商品を身につける機会が増えたことで、落とし物の増加に繋がっているのではないかということでした。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
ワイヤレスイヤホンを3回ぐらい落としています。一つは位置情報から福岡で落としたことがわかったのですが、ゴルフ場に行ったりどこかの家に帰っていたり、「絶対に誰かが使っているな」と思い問い合わせしたくてもしようがありませんでした。

東京で落としたときも、位置情報から郊外にあることは分かったので、その場所まで行きましたが、見つけられませんでした。位置情報を見ながら探してもわかりませんでした。

ポケットから落ちてしまうので、最近は落ちづらいゴムのケースに入れています。

1年間で最も多かった落とし物は「現金」 動物も2万匹以上の届け出

良原キャスター:
2023年の1年間で見つかった落とし物は警察庁によるとやはり現金が多いようです。1年間で228億4568万8596円が届けられ、過去最多となっています。キャッシュレス化で財布に現金が残ったままになっていることが原因ではないかと警察庁は分析しています。

また、動物も落とし物として計上されています。すべての動物を合わせると2万5535匹です。犬だけで1万2722匹、猫も4382匹が届けられています。

生き物の場合、職員の負担も増えるということで、警察庁は責任を持って飼ってほしいと呼びかけています。

もし「落とし物」をしたら…警視庁は「返還ロッカー」導入へ

また、落とし物をした際「電車で落としたのではないか」と駅に問い合わせた経験はないでしょうか。「見つからない!」と焦る声がSNSにもたくさん上がっています。

「複数路線乗り入れで、どこの管轄の落し物センターに行くのか謎だ…」
「複数路線乗り入れで落し物もうほんと大変」

落とし物の保管期間は鉄道各社で異なります。
・JR東日本:駅により異なる
・東京メトロ:拾われた日から4日目まで
・京急:最大3か月
・京王:原則3日間

保管期限後、警察署へ引き渡す場合もあれば、一部の鉄道会社は種類によっては処分してしまう場合もあるということです。

こうした中、京急がLINEで忘れ物を調べられるサービス「京急線-findchat」を始めました。24時間受付していて画像も添付できます。

特徴や場所などの情報を入力します。例えば、帽子を落とした際に「帽子は何色でしょうか?」と反応があるので「水色でデニム生地のキャップです」と答えると、「帽子の形状に近いものは画像の中にありますか?」と、いくつか帽子の形のイラストが送られてきます。

問い合わせ内容の対応はAIを用いた高速検索で行われるということで、駅の窓口が終了してしまっている夜間でも問い合わせができるといった利点もあります。

井上貴博キャスター:
各社が導入すれば担当者もある程度一元化できて対応しやすいでしょうし、業務の負荷を減らすことができるかもしれませんね。

良原キャスター:
さらに、警視庁も2024年の夏から“落し物ロッカー”を導入するということです。

現状、警視庁の遺失物遺失物センターでは、落とし物の返還は午前8時30分から午後4時30分(平日)なので、やはり平日働いている方はなかなか取りに行きづらいのですが、落とし物を休日24時間受け取れるロッカーを夏から導入する見込みです。

オンラインで事前に予約し、QRコードと暗証番号で鍵が開くようになるということです。

駐日ジョージア大使も落とし物「思いやりのある社会だと感じた」

良原キャスター:
こうしたシステムや「落とし物を見つけたら届ける」という日本の国民性に、駐日ジョージア大使のティムラズ・レジャバさんが感動しています。

ゴールデンウイーク中の4月27、28日に家族で京都に旅行に行ったそうです。翌日お財布がないことに気づき、ダメ元でJR東海に問い合わせたところ、数時間後に「お財布が見つかりました」と連絡があったといいます。

これに感動したレジャバさんは、財布とのツーショットとともに受け取ったことをXに投稿しています。

「絶対に見つからないと思っていたので、思いやりのある社会だと感じました。物を届けることは当たり前だが、諸外国では必ずしもできてはいないので、日本素晴らしい」

元競泳日本代表 松田さん:
最近、新幹線で駅に近くなったときに、「最近忘れ物が大変多くなっております。忘れ物をしてしまうと皆さんの手元に届くまでにお時間がかかる場合がありますので、必ず確認してください」と確かにアナウンスしています。忘れ物が多いんでしょうね。

いろんな仕組みはありますが、各個人が忘れないようにすることが一番大事だと思います。

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<プロフィール>

松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父

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