14日夜、福岡県の北九州市のファストフード店で中学生の男女2人が男に刺された事件。わずか30秒ほどで起こった犯行。刺した男は現在も逃走しており、現場付近の小中学校では保護者同伴の下校が行われています。

レジに並ぶ2人を無言で次々と…わずか30秒の凶行

南波雅俊キャスター:
現場となったのは、北九州市小倉南区にあるマクドナルド322徳力店です。北九州市の小倉駅から直線距離で南に約7キロ、北九州モノレールの「徳力公団前駅」の近くにあります。“公団前駅”という駅名の通り、すぐ近くには100棟を超える九州最大の住宅団地がある住宅街です。

14日(土)午後8時25分ごろ、中学3年生の男女2人が刃物のようなもので刺されました

亡くなったのは、中島咲彩(なかしま・さあや)さん。腹部を刺され失血死だったということです。男子生徒も、腰のあたりに致命傷になりかねない深い傷を負いました。

犯行がおこなわれた時の状況もわかってきています。

店舗は国道322号沿いにあり、入口は国道側に1つ、駐車場側に1つの計2つあります。

中学生2人は塾帰りに入店し、約10分後にレジの最後尾に並びました。そして、男が国道沿いから入店し列に並んでいた中学生2人の後ろへ並び、無言で立て続けに刺しました

亡くなった女子生徒の傷は1か所で抵抗した跡はなく、刺した男は顔を隠していなかったといいます。

その後、男は刃物のようなものを持ったまま北の方向に徒歩で逃走したとみられていて、入店から30秒足らずの犯行だったということです。

専門家「自分の計画・目的を達することだけを考えた犯行」

ホラン千秋キャスター:
まだ犯人は逃走中ですし、どういう目的なのか背景など全くわかりませんが、仮に後ろから刺されたとなると、どう対応すれば良いのか非常に難しいですよね。

元埼玉県警 捜査一課刑事 佐々木成三さん:
これは、とても対応できないと思います。しかも30秒という短時間で、卑劣で凶悪な事件を無言で行い、容疑者の感情の歪みが出ていると思います。

また、一突きで女子中学生を殺害できるほどの、かなり長い刃物を用意しているということに関しても、計画的な犯行で、これは防ぎようのない事件だったのではないかと感じます。

井上キャスター:
計画的なことが疑われるということですが、大通り沿いのファストフード店だと、ある程度明かりもあり、防犯カメラもあるので、多くの人に顔を見られていると思います。その中で、中学生2人を一突きしている。これは無差別なのか、またはこの場所を狙ったのか、中学生を狙ったのか。どうご覧になっていますか。

元埼玉県警 捜査一課刑事 佐々木成三さん:
間違いなく言えるのは、容疑者はファーストフード店に入る時点で自分の計画・目的を達することだけを考えた犯行だと思います。なので、顔も隠さず徒歩で逃げている。

これは場所というよりか、自分の目的を達成する上でこの場所を選んだと感じます。一番最後に並んでいて無防備だった2人を選んだと推測します。

「まったく知らない人に刺された」犯人逃走中で近隣では巡回強化

南波キャスター:
逃走した男の特徴です。

年齢:40歳くらい
体格:身長170cmくらいの中肉
服装:灰色の上着、黒のズボン、黄色っぽい履き物 
顔を隠していなかった 

男子生徒は「まったく知らない人に刺された」と話しています。

現場から約150mの自動車整備工場で、不審な男の目撃情報がありました。警察が排水溝に落ちていたタバコの吸殻を回収していますが、刃物や血のついた衣服は見つかっていないという状況です。

事件を受け、教育委員会は対策を行っています。

【登校】
可能な限り保護者が付き添う

【下校】
部活動含め、午後5時完全下校
集団、複数人での下校もしくは保護者などによる同伴

周辺には幼稚園や保育園、小学校・中学校など様々な教育機関があるため、地域PTAなどには見守り体制の強化を要請、警察には巡回強化を要請しています。

井上キャスター:
写真などが整えば、警察は公開捜査に踏み切るのでしょうか?

元埼玉県警 捜査一課刑事 佐々木成三さん:
警察は、第2・第3の犯行は必ず止めるという中で、公開捜査も考えていると思います。しかし、公開捜査できるほど映像が撮れていない、付近住宅においても、カメラがついていないので、リレー式で追えていない可能性もあると感じています。

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<プロフィール>

佐々木成三さん
埼玉県警本部捜査第一課に10年間在籍
現役時代はサイバー捜査の導入に着手

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